回帰トレンドでは統計学的な指標で、株価の散らばりの合計を最小化するように回帰直線を引きます。安値と高値を結んで引かれる一般的なトレンド線とは異なり、期間内にある終値の真ん中を通る線となります。さらに、標準誤差を加減して引かれた上下2本ずつの平行線は、抵抗線や支持線として使われます。相場の方向性やトレンドを判断する際に使われ、線が右肩上がりの場合は上昇トレンド、右肩下がりでは下降トレンドとなります。また、線の角度が付いている場合ほど、トレンドが強いことを表します。
債券の減債方法の一種で、債券の発行体(発行者)が償還前に市場を通じて債券購入者から債券の買い取りに応じることを言います。債券の発行体は買い入れ消却を行うことで減債する(債務を減らす)ことができます。一方、債券の購入者から見れば、買い入れ消却が行われることで、その後の運用先をまた選定しなければならなくなるほか、買取価格によっては不利な条件で買い取りに応じなければならなくなる場合があるなどのリスク要因となります。債券の償還方法には最終償還と期中償還がありますが、買い入れ消却は期中償還が行われるときの...
株価に影響のある材料が投資家の間で周知され、株価がすでにその影響を受けてしまっている状態を指します。たとえば、業績悪化や減配など、株価に対してマイナスの材料があったとしても、事前にその噂がたったり、予測記事が出たりすれば、それに呼応して投げ売りしたり、買い控えたりする人が現れ、株価は下がっていきます。そうなると、正式に発表したときにはすでに株価がその影響を受けているので、大きく下がらないことになります。その状態のことを、「株価がその材料をすでに織り込んで動いてしまっている」という意味で「織り込み...
踊り場とは上昇してきた株価が一服して足踏みしたような状態になることで、「調整」などともいわれます。株価同様、景気の回復局面でその傾向が一時的に鈍り、足踏み状態に陥ることを「景気の踊り場」と呼びます。
オシレーターとは「振り子」や「振り幅」という意味で、投資用語では「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を示すテクニカル分析手法です。オシレーター系の代表的な指標は、「RSI」「ストキャスティクス」「ボリンジャーバンド」など。相場の流れを読むトレンド系に対し、オシレーター系は相場の変化の大きさで判断します。なお、オシレーター系は逆張り投資に有効なテクニカル指標とされています。
株価が上昇している局面で、一時的に株価が下落したタイミングを見計らって買いを入れる手法です。株価が下落することを相場用語で「押す」と表現することからこう呼ばれます。広義では「逆張り」の投資手法に含まれますが、一定期間株価が継続的に上昇した後、利益確定の売りに押されて少し下落したタイミングで買いを入れるときにも「押し目買い」といいます。「押し目を拾う」といった用法も同義です。なお、株価だけでなく、債券相場や為替相場、商品相場などでも広く用いられる相場用語ですまた一方で、「押し目待ちに押し目なし」と...
相場が過剰に反応して、行き過ぎた動きとなること。たとえば、経済指標などの発表で投資家の売買が活発になって株式市場や外国為替市場などのマーケットがオーバーシュートすることがありますが、多くの場合、これは一時的なもので、その後は適正な水準に戻っていきます。
株式等の募集や売出しに際して、これとは別に、需要状況に応じて主幹事証券会社が売出人となって行う売出しのことを「オーバーアロットメントによる売出し」といいます。この売出しは、主幹事証券会社の裁量によって、その一部または全部が実施されないことがあります。なお、主幹事証券会社はあらかじめ発行者の大株主等から株式等を借り入れて当該売出しを実施します。
大株主とは、企業の株式の大多数を保有している株主のことで、発行済み株式に対する保有株の比率(持ち株比率)が高い株主を指します。何%以上なら大株主という明確な基準はありませんが、議決権のある発行済み株式の100分の10以上を保有する株主を「主要株主」といいます。上位株主の保有比率は、有価証券報告書などで確認することができます。なお、企業買収を目的にした株式の買い占めにより、株価が予想外の動きをすることもあるため、発行済み株式総数の5%を超えて株式を保有した株主は、5%を超えて保有した日から5営業日...
東京証券取引所では、TOPIX(東証株価指数)を補完する「規模別株価指数」の算出において、TOPIX構成銘柄の中から、時価総額(株価×発行済み株式数)と流動性が高い上位100銘柄を大型株と定義しています。なお、大型株についで時価総額と流動性が高い上位400銘柄を中型株、それ以外を小型株と分類しています。時価総額や流動性は日々変動します。このため東京証券取引所では、毎年10月に規模別株価指数の構成銘柄の見直し(入れ替え)を行っています。
黄金株とは、株主総会で会社の合併などの重要議案を否決できる特別な株式のことで、拒否権付き株式ともいわれます。株式を買い占められる敵対的買収への防衛策のひとつですが、逆に権限が乱用される可能性があるため、譲渡制限が設けられる場合があります。
追加保証金のことを指します。信用取引や株価指数先物取引、FXなど、保証金を担保として行う取引の場合、一定の維持率(委託保証金維持率)を下回ると、追加の保証金を差し入れなければなりません。たとえば、当社オンライントレード(日興イージートレード)の場合、信用取引で委託保証金維持率が25%未満となった場合には翌々営業日(維持率が20%を下回った場合は翌営業日)までに30%に回復するまでの追証を差し入れなければなりません。追証を入金しない場合には、証券会社によって、強制的に反対売買で決済されてしまうこと...
低金利通貨である円で借り入れをして高金利国の金融資産などで運用し、運用益に加えて金利の利ざやを獲得しようとする取引です。円で借り入れをするため「円借り取引」とも呼ばれます。円キャリー取引を行う場合、まず日本の短期金融市場で調達した円を外貨に替えて(つまり円売り)運用するため、円キャリー取引が増えることは円安要因となります。そして、海外の金融当局が利下げを実施した場合、海外資産で運用利回りを上げることが難しくなることから、円キャリー取引を行っている投資家は、運用していた海外資産を売却して得た外貨を...
MBOとは「Management Buy-Out」の略で、経営陣(あるいは従業員)が自社の株式や一部の事業部門を買収して独立することを指します。たとえば、オーナーではない経営者が、事業の継続を前提として、オーナーや親会社から株式を買い取り、経営権を取得することなどが該当します。また、経営陣ではなく従業員が所属している部門を買収して独立する場合、EBO(Employee Buy-Out)と呼ぶこともあります。上場企業の株式を非公開にする際の手段として使われることもあります。
MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が算出、公表している株価指数のことで、MSCIワールド・インデックスとも呼ばれます。日本を含む世界主要23ヵ国を対象にしています。MSCI社は、国別、地域別、産業分類別の指数や、先進主要国や、エマージングなどマーケットタイプ別の指数など、多岐にわたってカテゴリー分け、ジャンル分けした多数のインデックスを提供しています。なかでもこの世界株価指数は、日本を含む世界の主要23ヵ国の株式で計算された指数となっています。日本国内で販売されて...
ロンドン証券取引所(LSE)における代表的な株価指数であり、欧州でもドイツのDAXやフランスのCAC40と並んで注目されています。英国フィナンシャル・タイムズ社と、ロンドン証券取引所グループの合弁会社であるFTSEが公表しています。ロンドン証券取引所に上場する時価総額が大きい100社を対象とし、1983年12月31日の株価を基準値(1,000ポイント)として計算した時価総額加重型指数です。FTSE100種総合株価指数とも呼ばれ、ほかにもFTSE250種総合株価指数、FTSE500種総合株価指数が...
NYSE(エヌワイエスイー/ナイス)は「New York Stock Exchange」の略で、ニューヨーク証券取引所のことです。NYSEは世界最大の証券取引所で、2,400社以上が上場しています。日本企業では、1970年にソニーが初上場しています
NYSE Americanは、米国のニューヨーク州にある証券取引所で、中小型株やETF(上場投資信託)、オプション取引などを中心に取り扱っています。米国で2番目に大きかったアメリカン証券取引所(American Stock Exchange)を起源とし、いくつかの名称を変更しながら2017年7月に現在の名称になりました。