トマ・ピケティは米国のマサチューセッツ工科大学で教鞭をとったこともあるフランスの経済学者。彼の著書である『21世紀の資本』は2013年にフランス語で出版され、その翌年の2014年に英語訳版が発売されると、世界中で大ヒットしました。日本では2014年12月に発売。定価5,940円、728ページ、厚さ約4センチという経済学書にもかかわらず、発売1ヵ月で13万部の大ヒットとなりました。『21世紀の資本』では、資本主義の世界は格差を自然発生的に生み出す可能性があることを、世界中の約300年間の財務データ...
金融商品取引業者(証券会社)が、株式・債券・投資信託等の目論見書等の記載事項、各種報告書(取引残高報告書、取引報告書、説明書等の書面)、契約締結前交付書面(金融商品取引業者が金融商品取引契約を締結する前に投資者に対して交付する書面)について、書面での交付に代えてインターネットなどを利用した電磁的方法により交付することをいいます。
電子商取引とは、インターネットやコンピューター上での電子的な手段によって、商品の売買やサービスなどの取引を行うことです。EC(Electronic Commerce)やEコマースと呼ばれることもあります。近年、電子商取引は世界各国に急速に波及しており、株式市場でも大きなテーマのひとつとなっています。
証券会社が破綻した場合に投資家を保護するためのセーフティネット。証券会社は、証券会社自身の財産と顧客の財産を分別して管理することが法律上義務付けられています(分別管理義務)。したがって、証券会社が破綻しても顧客の財産には直接的な被害は及ばないのが原則ですが、証券会社が分別管理を怠っていた場合など、顧客の財産が被害を受ける可能性はゼロではありません。そのような事態が起きた際、投資者保護基金が顧客1人につき1,000万円まで補償するようになっています。国内で営業する証券会社には、投資者保護基金への加...
デフレとはデフレーション(Deflation)の略で、私たちが普段買っている日用品やサービスの値段(物価)が全体的に下がる現象です。つまり、モノに対して相対的に貨幣の価値が上がっていく状態を指します。デフレになるとモノが売れず不景気になります。企業の業績は悪化し、従業員の給与が減ったり、リストラにより失業者が増えたりします。そうなると所得が減るため、消費者は消費を控えるようになります。また、貨幣価値が上がるため、借金をしている人は負担が重くなります。そこで、さらに企業は抱えた在庫の処分売りを行う...
デューデリジェンス(Due Diligence)とは、投資を行うにあたって、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査することを指します。デューデリジェンスには、組織や財務活動の調査をするビジネス・デューデリジェンス、財務内容などからリスクを把握するファイナンス・デューデリジェンス、定款や登記事項などの法的なものをチェックするリーガル・デューデリジェンスなどがあります。
デリバティブ(Derivative)とは、“派生する(Derived)”を語源とする“派生的、副次的”という意味の英語で、株式、債券、金利、通貨、金、原油などの原資産の価格を基準に価値が決まる金融商品の総称です。原資産から派生した商品として、金融派生商品とも呼ばれます。取引形態としては、先物取引、オプション取引、スワップ取引、フォワード取引などがあります。古くは米や綿花などの農作物を対象とした先物取引から発達し、1990年前後からは、株式、債券などの金融商品を対象とした先物取引、オプション取引、...
マーケットには大小さまざまなリスクがありますが、発生する確率が非常に低いリスクによって暴落や暴騰が実際に発生することをテールリスクと呼びます。ちなみに、テールとは、騰落率分布の端や裾野を意味する言葉。突然の政権交代やテロなどが代表的なものです。
過去の株価の推移を示す株価チャートなどのテクニカルな指標を用いて、株価水準の分析や先行きの予想をすることをテクニカル分析といい、それを行う人を指します。テクニカル分析の手法にはさまざまなものがあります。株価チャートだけでも複数ありますし、過去の値動きの幅から割高・割安の水準を見るものや、過去の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の関係から割高・割安を判断するものなど、豊富に存在します。一方、企業があげている収益の状況や資産状況など(経済の基礎的条件=ファンダメンタルズ)をもとに企業分析や株価分析を行う...
DXとは「Digital Transformation」の略で、高速インターネットやAI(人工知能)などのITの活用により、ビジネスや生活の質を高めていくことを指します。もともと2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授らが提唱したものですが、近年では一般的に「最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業の変革」という意味を持つビジネス用語としてよく使われています。日本では、2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を策定し、DXを「企業がビジネス環境の激し...
データマイニングとは、膨大な量や様々な形式のデータ(ビッグデータ)の中から、有用・有効なものを発掘する技術や手法のことです。近年、企業や個人の経済活動などを認識するためのビッグデータ分析に注目が集まっていますが、ビッグデータだけでは単なるデータの固まりであり、それを活用するためには有用なデータを分類・抽出する必要があります。データマイニングは、ビッグデータの分析に不可欠と言えます。
テーパリング(Tapering)は直訳すると「先細り」や「次第に先が細くなっていくこと」という意味で、金融用語ではQE(量的緩和)の縮小を意味します。米国で2012年9月から行われている「QE3」では7回にわたり従来毎月850億ドルだった資産買い入れ額を100億ドルずつ減らしていくテーパリングを実施しました。また、2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大局面では、各国が大規模な金融緩和に踏み切りましたが、米国では当初の予定を前倒しし、2022年3月でテーパリングを終了し、政策金利の利上げに踏...
マーケットにおいて、発生する可能性が非常に低いものの、発生した場合に大きな影響が発生するリスクをテールリスク(Tail Risk)と呼びますが、その損失を回避(ヘッジ)するために行う取引をテールヘッジ(Tail Hedge)といいます。ちなみに、テールとは騰落率分布の端や裾野を意味する言葉で、突然の政権交代やテロなどが代表的なものです。テールヘッジ戦略は、デリバティブ商品を活用して極端な株式市場の下落から利を得る投資手法で、「ブラックスワン回避法」と呼ばれることもあります。
DRAM(ディーラム)とは、パソコンやスマートフォン、デジタル家電などにも広く利用されている半導体メモリの一種です。DRAM はDynamic Random Access Memoryの略であり、ダイナミックRAMとも呼ばれます。記憶内容の維持のために繰り返し再書き込みを行う必要がありますが、低コストで大容量化が可能なことから、価格や容量が重視されるコンピュータのメインメモリ用として広く普及しています。DRAMは現在、大量生産されている半導体製品の一つであり、その需給が半導体銘柄の株価や市場全体...
ディスクロージャー(Disclosure)とは、情報開示(情報公開)のことで、多くの場合、企業が投資家や株主、債権者などに対して経営内容などを開示することを指します。法律や取引所ルールによるものと企業が自主的に行っているものがあり、上場企業等が公表している財務諸表や有価証券報告書などは前者のディスクロージャーのための資料に該当します。後者は企業がIR活動の一環として自主的に行うもので、金融機関などではディスクロージャー誌(紙)として経営内容などをまとめたものを顧客に送付したり、店頭に置いたりして...
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定(EPA)を指します。2017年1月、米国が離脱を表明したものの、米国以外の11ヵ国間で協議が続けられ、2017年11月に大筋合意に至りました。その後、2018年3月にチリで11ヵ国による署名がなされ(TPP11協定)、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、豪州、ベトナムの6ヵ国の手続きが完了。これら6ヵ国による国内手続き完了の通報を受けて、60日後の2018年12月3...
DeFi(ディーファイ)とは、英語の「Decentralized Finance」の略で日本語では「分散型金融」と表現され、暗号資産(仮想通貨)に関連する記事でよく見かけるワードです。ブロックチェーンの「スマートコントラクト」と呼ばれる技術(暗号資産にプログラムを組み込める技術)を用いて、特定の管理者(中央管理者)を要することなく、自律的かつ自動的に提供される金融サービス全般を指します。中央管理者が存在しないことで手数料を安く抑えられるだけではなく、取引などに関する時間の節約も可能になります。D...
証券会社などが自社の資金を株式市場などで運用することを「ディーリング」といいます。そのディーリングを行う担当者のことを「ディーラー」と呼びます。証券会社などには株式のディーラーだけでなく、債券や為替のディーラーなどもいて、それぞれが自己勘定で取引を行っています。ディーリングに対して、顧客の注文を取引所などに発注する業務のことを「ブローキング」または「ブローカー業務」と呼びます。
直接金融とは、お金を借りたい人に対して、お金を貸す側が直接的に出資する取引のことです。たとえば、企業が株式や債券を発行し、投資家が証券市場で購入する行為は直接金融となります。一方、預金者からお金を預かり、それを企業などに貸しつける銀行預金などは間接金融と呼ばれます。なお、直接金融では、投資先の破綻リスクは投資家が負うことになります。
通貨を対象とするデリバティブ(金融派生商品)取引のひとつで、異なる通貨間の金利と元本を交換する(スワップする)取引を、「通貨スワップ」といいます。たとえば、ドルでの支払いのためドル建て社債を発行して、通貨スワップで円に換えれば利払いや元本償還が円になるため、将来の支払いが円貨で確定します。通常は、取引の開始時と終了時に元本の交換が行われますが、元本の交換をせずに金利部分だけを交換する通貨スワップもあり、「クーポン・スワップ」と呼ばれています。なお、通貨スワップも、金利スワップ同様、取引所を通さず...