SXとは
SXとは「Sustainability Transformation(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」の略で、企業が短期的ではなく長期的な「持続可能性」を重視し、ビジネスの安定だけでなくESG(環境、社会、ガバナンス)を両立する企業経営を行えるように変革していくことを指します。SXは近年、ビジネスにおける大きな課題として注目されています。2015年のパリ協定発効を機に環境負荷軽減に向けた動きが活発化し、各国の自動車メーカーが電気自動車の開発や販売に乗り出したり、主要企業がカーボンゼロ宣言を行ったりするなど、世界中でSXに取り組む企業が増えています。世界的な気候変動やパンデミック発生などでビジネス環境の不確実性が増す一方で、SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まる中、企業には「稼ぐ力の持続性」とともに、社会のサステナビリティへの貢献が強く求められているのです。
日本でも、経済産業省の「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」が2020年8月に発行した「中間取りまとめ~サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けて~」でSXが取り上げられました。この中で、企業が稼ぐ力を中長期的に向上させ、成長性に関するリスクや機会を把握して持続性を高めること、投資家と中長期で対話して経営のレジリエンス(適応力)を高めていくことなどが提唱されています。リスクや環境の変化に対し、自社のビジネスがどう変化していくかを考えた経営指針が求められています。