円高とは
円高とは、他国通貨に対する円の価値が高くなることです。日本円はかつて、1ドル=360円という固定相場制でしたが、1973年に変動相場制に移行しました。これにより円に対する各国通貨の価値は、経済成長率やインフレ率などの経済情勢に応じて、そのつど変動するようになりました。外国通貨と円の交換比率を示すのが為替レートで、日々刻々と変化します。その最も代表的なものがドル・円レートで、1ドル=100円という形で表します。「円」の金額が1ドル=90円などと、比較時点よりドルが安くなることを円高といいます。反対に1ドル=110円などとドルが高くなることを円安といいます。日本の経済は輸出産業が支えている割合が多いので、円高になると輸出するときの商品価格が高くなって競争力が低下し、輸出企業は利益を出しづらくなります。その結果、不景気になり、株式市場も下落する傾向があります。円高による不況を「円高不況」といいます。その一方で、輸入品が安く輸入でき、海外企業の買収を有利にできるといった側面もあります。
外債や外貨建てMMFなどの外貨建て商品は、円高のときに買って円安になってから売ると、為替差益が得られます。反対に、より円高に進むと為替差損が出てしまいます。為替の先行きを読むのはプロでも難しいといわれていますから、外貨建て商品を選ぶ際は為替変動リスクがあることを認識しておきましょう。