GDPデフレーターとは
GDP統計で示される価格に関する指数で、GDP(国内総生産)を時価で表示した名目GDPの物価水準の変化分を調整するときに用いられます。GDPデフレーターで調整することで、物価変動の影響を受けない財やサービスの数量、すなわち実質GDPがわかります。なお、GDPデフレーターは、GDPに計上される全ての財・サービスを含むため、企業物価指数や消費者物価指数よりも包括的な物価指標といえます。ただし、企業物価指数や消費者物価指数が輸入品価格も含んでいるのに対し、GDPデフレーターは国内生産品だけを対象にしています。
デフレーターとは、「気球のように膨らんだものから空気を抜く」「しぼませる」という意味を語源とする言葉です。物価が上昇した分だけ膨らんでしまった名目GDPを、GDPデフレーターを用いてしぼませることにより実質GDPを算出します。物価が上昇している場合には、「名目GDP>実質GDP」となりますが、物価が下落している場合には、物価の下落分をGDPデフレーターにより膨らませるため、反対に「名目GDP<実質GDP」となります。