ブラックスワンとは
ブラックスワン(Black Swan)とは、マーケットにおいて事前にほとんど予想できず、起こったときの衝撃が大きい事象のことです。元ヘッジファンド運用者でもある研究者、ナシーム・ニコラス・タレブが2006年に刊行した著書『ブラックスワン(The Black Swan)』で言及したのがきっかけで、使われるようになりました。従来、すべてのスワン(白鳥)は白色と信じられていましたが、オーストラリアで黒いスワンが発見されたことにより、鳥類学者の常識が大きく覆されました。これにちなんで、確率論や従来の知識や経験からは予測できない極端な事象が発生し、それが人々に多大な影響を与えることをブラックスワンと呼んでいます。具体例としては2008年のリーマンショック、最近では2016年6月の英国EU離脱、12月の米国のトランプ大統領当選などが挙げられます。また、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、究極のブラックスワンと言えるでしょう。
投資家は一般的に先行き不透明な状況に恐怖を感じるため、金融市場で事前に予測していなかったブラックスワン的なイベントが起こると、相場が大きく変動しやすくなります。また、資産を守るためにリスクを取らないリスクオフの状況に陥り、株式などのリスク資産は売られやすくなります。