制度信用取引の対象銘柄のうち、信用取引の買建だけでなく、売建(空売り)もできる銘柄のことです。証券取引所および証券金融会社が定める基準を満たした銘柄が選定されています。信用取引は、証券会社が投資家に資金や株式を貸し付けることで成り立っていますが、証券会社も資金や持ち株に限度があるため、それを超える場合には証券会社が証券金融会社から借りてまかないます。なお、制度信用取引において買建のみ行うことができる銘柄を貸借融資銘柄と呼びます。信用取引の買い残や売り残は、基本、将来的に反対売買などで決済されるた...
信用取引における信用買いと信用売りの各残高の比率を数値化したもので、信用倍率とも呼ばれます。貸借倍率=信用買い残÷信用売り残特別な規制(日々公開銘柄指定)をされている銘柄は毎日、されていない銘柄は週1回公開され、取り組み状況を表す指標として注目されています。
貸借取引とは、証券金融会社が証券会社に対して制度信用取引に必要な資金や株券を貸し付ける取引です。通常、信用取引が行われる際、証券会社に貸し出す資金や株式が十分にある場合は、貸借取引は行われませんが、証券会社に資金や株式が不足すると、それを調達するために貸借取引が行われます。貸借取引のできる銘柄は、(制度)信用銘柄とは別に指定され、信用銘柄の数よりは少なくなっています。もともと信用取引は、信用供与によって成り立つもので、そこに相当の資金量が必要になります。その資金を確保するための専門の会社が証券金...
第三者割当増資は、会社の資金調達方法のひとつです。株主であるか否かを問わず、特定の第三者に新株を引き受ける権利を付与して行う増資を、第三者割当増資といいます。通常、取引先、取引金融機関、自社の役職員などの縁故者にこの権利を付与してて発行することが多く、縁故募集ともいいます。第三者割当増資は、業務提携の相手先や取引先との関係安定化を図るときや、経営悪化で株価が低く通常の増資ができないときなどに多く使われます。第三者割当増資の発行手続きは、会社法により詳細に決められています。特に新株を「特に有利な価...
損切りとは、投資家が損失を抱えている状態で保有している株式等を売却して損失を確定させることをいいます。ロスカット、ストップロスとも呼ばれます。購入した株式の価格が下落して、その後の回復が見込めないと判断できるケースでは、損切りが有効と考えられます。そのまま保有し続けた場合、さらに株価が下落して損失額が膨らむ可能性もあるため、損切りをして損失額を確定させることで、それ以上損失が膨らまないようにすることができます。なお、利益が出ている株式等を売却して利益を確定させることを「利食い(りぐい)」といいま...
企業経営において、売上高と費用が等しくなり、損益がゼロとなるときの売上高のことを指します。売上高が損益分岐点を上回れば利益となり、逆に損益分岐点を下回れば損失となります。なお、損益分岐点を算定するためには、全ての費用を固定費(売上高の増減に関係なく発生する費用)と変動費(売上高の増減に比例して発生する費用)に区分します。売上高から変動費を差し引いた額を「限界利益」といい、売上高に占める限界利益の割合を限界利益率といいます。たとえば、売上高1,000億円、変動費600億円、固定費300億円、利益1...
SOX指数は米国のフィラデルフィア証券取引所が算出、公表している株価指数で、別名「フィラデルフィア半導体指数」とも呼ばれています。半導体の製造や流通、販売などを手掛ける30銘柄で構成されています。半導体企業の株価が上昇するとSOX指数も高くなり、一般的に世の中の景気が良いと判断されます。
多くの企業は利益の中から株主への還元策として定期的に配当を出しますが、業績改善や株主重視策として配当金を増やすことを増配といいます。増配を発表した企業は有望企業として注目され、その企業の株式が買われる傾向にあります。
増資とは、本来、企業が資本金を増加させることを言います。企業が資本金を増加させる場合、一般的に新株発行によって行われているので、新たに株式を発行し、投資家から資金を集めることを増資といっています。なお、増資のやり方には、既存の株主に株式の割当てを受ける権利を付与する「株主割当増資」、提携先や取引先などの特定の第三者に対して引き受けの勧誘をする「第三者割当増資」、不特定多数の者に対して引き受けの勧誘を行う「公募増資」などがあります。公募増資を実施する際、株式市場が順調に、右肩上がりの状況では、株式...
SENSEX指数とは、インド株式市場の代表的な株価指数です。ムンバイにあるインド共和国最大のボンベイ証券取引所(Bombay Stock Exchange)に上場する銘柄のうち、流動性、取引規模、業種などを代表する30銘柄で構成される時価総額加重平均指数で、「BSE SENSEX(S&P Bombay Stock Exchange Sensitive Index)」や「SENSEX30」とも呼ばれます。1979年4月3日を基準日とし、その日の時価総額を基準値100として算出されます。銘柄選定には...
証券取引所が定めている上場廃止基準に該当し、上場廃止が決定された銘柄のことです。東京証券取引所では、2008年1月15日より「整理ポスト」という表現の使用をやめ、「整理銘柄への指定」としています。上場有価証券の上場廃止が決定された場合には、原則として、1ヵ月間「整理銘柄」に指定し、その事実を周知することで、投資者が整理売買を行うことができるようにしています(株式交換による完全子会社化に係る上場廃止において、同株式交換の対価として取引所の上場株式が交付される場合など、整理銘柄へ指定することなく上場...
日本政府が保有する株式を民営化などにより株式市場で売り出すこと。1987年のNTTから始まり、2015年の郵政3社(日本郵政、かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行)や、2016年のJR九州などが話題となりました。政府放出株を手に入れるためには、証券会社が行うブックビルディング方式での抽選に申し込む必要があります。株式市場での初値が公開価格を上回ることが多い政府放出株は投資家に大人気。過去、JR東日本などは公開価格38万円に対し、60万円の初値がつき、話題となりました。
信用取引には制度信用と一般信用の2種類があり、制度信用とは返済期限が最長6ヵ月で、品貸料(株式が不足した際、売り方が買い方に支払う調達費用)が取引所の規則で決められているものを指します。一方、一般信用はこれらの条件を証券会社が自由に決められます。制度信用の対象銘柄は、一定の基準を満たした制度信用銘柄(買い建てのみ可能な銘柄)と貸借銘柄(買い建てと売り建てが可能な銘柄)が、取引所によって選定されています。制度信用も一般信用も可能な銘柄を取引する際は、注文の際にどちらかを選びます。制度信用は一般信用...
成長株とは、業績が良く、株価が高く評価されていて、さらに成長が見込める株式のことで、グロース株ともいわれます。成長株と呼ばれる企業は、売上高や経常利益などが年々大きく増加していて、今後もさらに増加していくと予測されており、最先端の技術を持つ企業や、流行の業種の企業が多いのが特徴です。成長株に対し、業績などファンダメンタルズ(基礎的要件)が良いにもかかわらず、株価が低い状態で放置されている株のことを割安株、またはバリュー株と呼びます。
スピンオフとは、企業が社内にある1つの部門を切り離して独立させることを指します。似たような意味に「スピンアウト」がありますが、独立元との関係性によって使い分けられます。スピンオフが元の企業から出資などを受け独立し、独立後も資本関係が続くのに対し、スピンアウトは資本関係を持たずに完全に独立企業となることを意味します。
スパイクハイは、株価や為替などのチャートにおいて、前後する日の高値より突出した高値のことです。上昇相場の最終局面で出現し、ローソク足で見た場合、長い上ヒゲをつけることも多く、下落転換のサインとされています。スパイクハイが上昇相場の最終局面で現れることが多いのに対し、スパイクローは下落相場の底でしばしば出現します。スパイクローは、前後する日の安値より突出した安値で、ローソク足で見た場合、長い下ヒゲをつけます。こちらは下落相場から上昇相場への転換のサインとされています。
ストラテジスト(Strategist)とは経済動向などを分析し、投資に関するストラテジー(Strategy=戦略)や方針を立案する専門家のことです。経済の動きや市場トレンド、産業、企業の動向など、さまざまな視点から投資環境を分析して投資戦略を立て、投資家やファンドマネージャーに提供します。特有の資格はありませんが、証券アナリストや公認会計士の有資格者が多く、証券会社や投資信託運用会社などに所属して活動しています。