つなぎ/つなぎ売りとは
つなぎ(売り)とは、保有している銘柄の株価の下落が予想される場合に、保有している現物を売らずに、信用取引で空売りをすることによって値下がりのリスクを回避しようとする手法のことをいいます。保有株式の値下がりに備えるので「保険つなぎ」ともいわれます。空売り後に株価が予想通り値下がりすれば、そのあとで買い戻すことによって、差額分の利益を得ることができ、現物の値下がりによる評価損をカバーできるわけです。一方、空売り後に株価が値上がりしてしまった場合には、保有している現物株を引き渡すことによって損失の発生を防ぐことができます(現渡し)。
つなぎ売りは近年、株主優待を株価下落による損失リスクを抑えて受け取る方法として人気を集めています。たしかに、保有している現物株と同銘柄を同株数空売りすることで、つなぎ売りによるリスクヘッジ(回避)の効果が期待できますが、対象が信用取引で売り建てできる銘柄に限られるうえ、売買委託手数料などのコスト負担や、思いがけないほどの逆日歩が発生して損失が出る可能性もあるなど、リスクがないわけではありません。