フェアトレード(Fair Trade)とは、発展途上国で作られた農作物や製品を適正な価格で継続的に取引することより、生産者の生活を支えるフェア(公正、公平)な貿易方法を指します。日本では開発途上国で生産された食料品や日用品が驚くほど安い値段で販売されていることがありますが、生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために環境が破壊されたり、生産者の健康が損なわれたりします。生産国で生じる問題を解決するためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、自...
会社が事業のための資金を調達することを指し、主にエクイティファイナンスとデットファイナンスの2種類があります。前者は株式を発行するなど資金調達する方法で、自己資本の増加を伴います。具体的には、公募、 株主割当、第三者割当といった増資や、CB(転換社債型新株予約権付社債)といった、発行時は社債としての性質を持つものの、権利行使によって株式に転換(=自己資本の増加)する仕組みのものなどがあります。後者は銀行から融資を受けたり債券を発行したりすることで、資金調達する方法です。資金を借り入れる企業にとっ...
5Gとは5th Generationの略で、第5世代移動通信システムを指します。これまで、アナログ形式の1G、デジタル形式の2Gを経て、高速・大容量通信が可能になった3G、より高速化・大容量化が進んだ4Gとなり、現在はほぼストレスなく動画コンテンツやゲームなどを楽しめるようになりました。5Gはここに「IoT(モノのインターネット)の普及に必須となるインフラ技術」を加えるものとして位置づけられています。大きな特徴は大容量、広帯域、低遅延といった点で、これを生かして4Gでは難しかった高精細画像のスピ...
ビットコイン(Bitcoin)とは、インターネット上で取引や通貨発行が行われる分散型暗号資産の一種です。発行主体が存在しない世界初の分散型通貨で、政府や中央銀行などの中央機関を介さず、P2P(ピア・トゥー・ピア)ネットワーク上で取引が行われます。そのため、仲介手数料が安く、世界中どこでも誰とでも迅速に取引や決済を行うことができるとされています。2009年から取引が行われ、通貨単位はBTCで、発行上限が2,100万BTCと決められています。ただし、電子的なコインそのものが実在しているわけではなく、...
ビッド・レートとは、インターバンク市場(銀行間取引市場)において、資金の借り手または外国為替の買い手が呈示するレートのことです。インターバンク市場とは、余裕資金のある金融機関が資金の貸し手、資金不足の金融機関が資金の借り手となり、短期の資金の過不足を調整し合う機能を果たす市場のことです。銀行間取引市場とも呼ばれ、コール市場や手形市場などがあります。
直訳すると「防火壁」ですが、金融用語では銀行業務と証券業務の間における情報の隔壁のことです。利益相反の防止、不正な取引を規制するために設けられている施策です。なお、証券会社の引受部門と営業部門との間などに設けられている情報の隔壁は、「チャイニーズウォール」と呼ばれています。
「半導体BBレシオ」とも呼ばれ、半導体製造装置業界などで、半導体の需給関係を表す指標として使われます。数値は半導体の出荷額(billing)に対する受注額(booking)の割合を示しています。数値が1を超えると、出荷額よりも受注額のほうが多いことを意味し、半導体業界の業績の先行きが明るいことを示唆していると考えられます。逆に、数値が1を割れると、出荷額よりも受注額が少ないことを意味し、業績の先行きの悪化が予想されます。一般的に、毎月の数値だけでなく、3ヵ月移動平均の数値でトレンドが判断されます...
ビッグデータ(Big Data)とは、IT技術の進歩に伴って集積されていく、膨大なデジタルデータを指します。インターネットの普及により、ツイッター、フェイスブックといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をはじめ、ウェブ検索やオンラインショッピング、金融取引などが盛んになり、これらが利用されるたびに大容量のデータが蓄積されています。また、日常生活においても、交通ICカードやコンビニのPOSシステム、街角の防犯カメラなどに、さまざまなデータが集積されています。
PBRとは「Price Book-value Ratio」の略で、株価が1株当たり純資産(BPS:Book-value Per Share)の何倍まで買われているかを見る投資尺度です。現在の株価が企業の資産価値(解散価値)に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。PBRの数値は、低いほうが割安と判断されます。なお、PBR=1倍が株価の底値のひとつの目安(株価と資産価値が同じ)とされてきましたが、長い間PBRが1倍を下回ったままの銘柄もあり、必ずしも底値の判断基準とすることはできません...
PMI(Purchasing Manager's Index:購買担当者景気指数)とは、企業の購買担当者らの景況感を集計した景気指標のひとつです。国別や、製造業、サービス業ごとの集計が行われており、米ISM(Institute for Supply Management)やIHS Markit社が公表しているものが有名です。一般的に鉱工業生産や雇用統計などの統計よりも景気先行性があるとされ、運用担当者の注目度が高い指標のひとつと言えます。一般に、PMIの数値が50を上回ると景気拡大、50を下回る...
BOE(Bank of England)はイングランド銀行のことを指し、中央銀行としてイギリスにおける物価の安定とイギリス政府による経済政策の支援を行っています。イングランドとウェールズにおける法定通貨であるポンド(UKポンド)の発券銀行です。政策金利などの決定は、BOEの金融政策委員会(MPC)が行っており、金融政策変更などの動向はマーケット関係者や投資家に常に注目されています。銀行のある住所から「Old Lady(老婦人) of Threadneedle Street」との愛称があります。欧...
PCEとはPersonal Consumption Expendituresの略で、米国の個人消費支出のことです。米国の家計が消費した財やサービスを集計した経済指標で、米商務省が毎月公表しています。個人消費がGDPの7割におよぶことから、GDPの先行指標として注目されています。実質的なインフレ指標である「PCEデフレーター」は、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策運営にあたり重視しており、特に注目されています。
損益計算書に記載される項目で、商品や製品を販売するために直接かかる費用(販売費)と会社全般の業務の管理活動にかかる費用(一般管理費)の合計額のことを指します。すなわち、企業の営業活動に要する費用のうち、売上原価に該当するものを除いた総称で、「営業費」ともいいます。売上総利益(売上から売上原価を差し引いた利益)から「販売費及び一般管理費」を差し引いた金額が、本業で獲得した利益を示す「営業利益」となります。販売費には、販売手数料、広告宣伝費などが該当し、一般管理費には、間接部門の人件費、減価償却費、...
PERとは「Price Earnings Ratio」の略で、株価が1株当たり純利益(EPS:Earnings Per Share)の何倍まで買われているかを見る投資尺度です。現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。PERの数値は、低いほうが株価は割安と判断されます。なお、1株当たり純利益は当期の予想数値を用いるのが一般的です。一般的に利益成長の高い会社ほど、将来の収益拡大期待が株価に織り込まれるため、PERは高くなる傾向があります。しかし、PERが何倍だ...
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)など、株式投資において割安・割高を判断する指標はいくつも存在します。理論的には、割安な銘柄は株価上昇による水準訂正が期待できますが、割安な銘柄がいつまで経っても割安なまま放置される状態をバリュートラップといいます。株価が低迷する理由はさまざま。ひとつの指標だけで割安の判断をするのは危険です。割安な株には「割安な理由」があるものです。株式に投資する場合には、複数の指標を用いて多角的に判断する習慣をつけましょう。
バルチック海運指数(Baltic Dry Index、通称BDI)とは、イギリスのバルチック海運取引所が算出するばら積み船運賃の総合指数のことです。基準となる1985年1月4日を1000として算定し、取引所が各ブローカーなどから市況を聞き取って、毎営業日に発表しています。海運関連の会社の株価は、同指数との連動性が高いといわれています。
パナマ文書(Panama Papers)とは、パナマの法律事務所モサック・フォンセカによって作成された租税回避行為に関する機密文書です。1970年代から作成された膨大な記録で、世界の企業や個人がタックス・ヘイブンを利用して租税回避やマネーロンダリングをしている実態が記されており、2016年5月に情報漏えいをきっかけに公表されました。そこには有名企業や各国要人、著名人、犯罪者なども含まれており、アイスランドの首相が辞任に追い込まれるなど、世界中が騒然としました。
ハネムーン期間とは、政権交代後、新政権発足からの最初の100日間を指します。発足直後の新政権は概ね高い支持率を示す傾向が強いため、国民やマスコミとの関係を甘い新婚期(ハネムーン)に見立ててこう呼びます。二大政党制で政権交代を何度も経験している米国では、新政権が軌道に乗るまでにある程度時間がかかることを国民が理解しています。そこで、この期間中はマスコミも野党も新政権に対する過度な批判や性急な評価を避け、「お手並み拝見」とばかりに様子見するという慣習、紳士協定があります。
投資の世界においてパフォーマンスとは、運用成果や運用実績、また過去の価格の動きを指しています。投資家にとっては、一定の期間内に良いパフォーマンスをあげて、できるだけ多くの収益(リターン)を獲得することはとても重要です。その際、手にした収益だけを見るのではなく、投資したものの収益がリスクに見合ったものだったか、また、手に入れた投資収益が投資環境に比べて良かったのかどうかといったパフォーマンスを総合的に測定することもまた大切です。これにより、自分の投資判断や実行したプランが妥当だったかを検証し、投資...
少子高齢化の進展により労働力人口が減少し、このままいくと国の生産性や国力が低下する可能性が高いことから、労働者の働き方を見直し、その影響をできるだけ少なくしようとする取り組みを指します。安倍政権(当時)が掲げる「一億総活躍社会」実現に連動する形で2017年頃から活発に議論されています。働き手を増やすとともに、労働生産性を上げることが目標とされ、そのために働き方の多様化、長時間労働の抑制、正規労働と非正規労働の格差縮小、高齢者や女性の雇用促進などが検討されています。