東京証券取引所が、個人・外国人・金融機関など、投資家ごとの売買動向をまとめたものです。週間・月間・年間で集計を行っており、週間のものについては、原則翌週第4営業日に公表されています。対象は東証・名証の他、東証プライム、東証スタンダード、東証グロースといった各市場も含まれます。「外国人投資家が日本株を買い越している」と報道される場合には、投資部門別売買動向で「外国人」による買いが、売りを超えている場合を指します。
東証グロース市場指数とは、東京証券取引所(東証)のグロース市場に上場する普通株式の全銘柄を構成銘柄として、時価総額加重方式により算出される株価指数です。2022年4月の東証の再編により新たに算出されるようになった指数で、同年4月1日を基準値1,000として算出されています。グロース市場は旧区分の東証マザーズやJASDAQグロースに該当する、新興企業市場中心の株式市場です。東証グロース市場指数は主に新興企業の株価の動きを表しています。
出来高とは、期間中に成立した売買の数量のこと。株式の場合、1日、1週間など、ある一定期間内に売買が成立した株数を指します。銘柄ごと以外に、市場全体や指標での出来高も評価されます。「出来高は株価に先行する」といわれることもあり、市場の活性度を測るバロメーターとして使われます。また出来高とは別に売買代金という言葉があります。出来高は株数などの売買量を指し、売買代金は売買で動いた総金額を指します。証券会社や投資情報サイトのチャートでは、ローソク足チャートの下に出来高が棒グラフで表示されていることも少な...
株式や為替などの取引において、保有しているポジションを決済することにより、現金化することを指す相場用語です。利益確定(利食い)、損切りのほか、市場が閉じられている間に予期せぬ出来事が発生するイベントリスクを避けるために行う場合もあります。そのため、年末やゴールデンウィークなどの長期休場前には、手仕舞い売りがかさんで株価下落の要因になることがあります。「一寸先は闇」といわれる相場の世界では、休場中に天災や外国市場急落など、思わぬハプニングが起こって損失が出るのを防ぐため、休み前にいったん手仕舞いし...
長期の移動平均線を、短期の移動線が上から下に突き抜けたとき(交差したとき)を、デッドクロスと呼びます。これから相場が下落傾向になるかもしれないという売りサインのひとつとして、相場の方向性の手掛かりになるものと考えられています。ただし、確実に下落するとはいい切れないため、株価や為替などの価格と組み合わせて判断することが大切です。デッドクロスは、移動平均線だけでなく、MACDやストキャスティクスなどのチャート分析にも用いられています。グラフでデータを見るときに気をつけたいのが、そのデータを算出してい...
低位株とは、株価水準が低い銘柄のこと。明確な定義はありませんが、近年の株価水準の場合、一般的には1単元(100株)の購入金額が10万円未満、つまり株価が1,000円程度を下回ると低位株と呼ぶことが多いようです。また、比較的多くの低位株に共通する点としては、発行済み株式数が多いなどの特徴が挙げられます。なお、少ない費用から株式投資ができる、わずかな金額の値上がりでも上昇率が高いなどのメリットがありますが、逆に下落率も大きくなる傾向にあるといったデメリットもあります。低位株に対して、株価水準が中程度...
ティッカーシンボルは、米国などの株式市場で銘柄を識別するために使われるアルファベットの記号です。4ケタの数字で構成されている日本株の銘柄コードに当たるものです。「ティッカー」「ティッカーコード」と呼ばれることもあります。
ディフェンシブ銘柄とは、業績が景気動向に左右されにくい業種の銘柄を指します。景気が後退しても業績がそれほど悪化せず、「守り」に強いことから、こう呼ばれています。具体的には、生活必需品である食品や日用品、薬品、社会インフラである電力、ガス、鉄道、通信などの業種を指します。反対に、景気動向に影響されやすい小売り、旅行などの消費関連株や化学、鉄鋼、繊維などの素材産業、工作機械の設備投資関連などは「景気敏感株」と呼ばれます。
DOEは「Dividend on equity ratio」の略で、「株主資本配当率」とも呼ばれ、株主資本に対して企業がどの程度の利益配分を行っているかを示す財務指標です。年間の配当総額を株主資本で割って算出します。その会社が年間どの程度、株主の配当に回したのかを示し、配当性向とともに株主還元の状況を表す指標として注目されています。
TOBとは「Take Over Bid」の略で、上場会社の株券などを、あらかじめ買付価格、買付予定数、買付期間などの条件を公告し、条件に同意した株主から市場外で買い付ける、公開買付けを指します。市場外における会社の支配権などに影響を及ぼすような株券などの買い付けについて、透明性・公正性を確保する観点から金融商品取引法により定められた制度で、株主や投資家に対して平等に株券などの売却機会を提供することで投資者の保護に資することを目的としています。TOBには、対象会社の経営陣から賛同を得て行われる「友...
月足とは、株価の値動きを表す、主にローソク足チャートにおける株価の値動きの描き方のひとつで、株価の1ヵ月ごとの値動きを1本のローソクで表したものをいいます。月足の場合、月の最初についた値段が始値、終値は月末の引け値になります。その月の始値や終値を上回る(または下回る)高値、安値がある場合は、上下にそれぞれ「ヒゲ」と呼ばれる線で描かれます。月足は、中長期的な株価動向を占う指標として利用されるのが一般的です。1日の値動きを1本のローソクで表すものを日足(ひあし)、1週間の値動きを1本のローソクで表す...
つなぎ(売り)とは、保有している銘柄の株価の下落が予想される場合に、保有している現物を売らずに、信用取引で空売りをすることによって値下がりのリスクを回避しようとする手法のことをいいます。保有株式の値下がりに備えるので「保険つなぎ」ともいわれます。空売り後に株価が予想通り値下がりすれば、そのあとで買い戻すことによって、差額分の利益を得ることができ、現物の値下がりによる評価損をカバーできるわけです。一方、空売り後に株価が値上がりしてしまった場合には、保有している現物株を引き渡すことによって損失の発生...
デイ・トレーダーとは、買った株をその日のうちに売る、あるいは、売った株をその日のうちに買い戻すというように、1日のうちに利益や損失を確定し、取引を終了させることを繰り返し行う投資家のことです。ごく短期間の投資を行う投資家をそう呼ぶこともあります。投資家によっては、短時間での売買を1日のうちに何度も繰り返すことで着実に利益をあげようとする人もいます。近年、インターネットの普及や、証券会社間の手数料引き下げ競争などで、デイ・トレーダーは急増しました。1日単位で利益をあげることを「日計り(ひばかり)」...
中間配当とは、企業が一事業年度中、決算期以外に株主に対して利益を分配する配当を指します。前期末までの利益剰余の範囲内で、当期末に欠損が生じるおそれのない場合にのみ、例外的に取締役会の決議で行うことができます。3月決算の会社の場合、9月に中間配当を行うケースがほとんどですが、回数は株主総会の決議で決められるため、四半期配当を実施する会社もあります。ただ、中間配当のない会社や、中間決算制度を採用していても業績不振などで中間配当を見送る会社もあるので確認することをおすすめします。
賃上げETFとは、設備・人材投資に積極的に取り組む企業の株式を組み入れた指数に連動することを目指す上場投資信託(ETF)の通称です。日銀は金融緩和策の一環としてTOPIXなどの各指数に連動することを目指すETFを買い入れていますが、それとは別枠(年間3000億円)で設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業の株式を対象とする新たな指数を形成し、これに連動するETFを買い入れることを2015年12月に決定しました。企業に積み上がった内部留保を原資にした賃金アップを促す狙いがあります。これに伴い、人...
単元未満株式とは、銘柄ごとに決められている最低売買単位である1単元の株数に満たない株式のことをいいます。単元未満株は、株式分割や会社の合併、減資、子会社化、1単元の変更、持株会社への移行、新株予約権付社債などの権利行使などで発生します。たとえば、1株を1.2株にする株式分割が行われたとすると、それまで100株を保有していた株主は、分割後、保有株数が120株になります。1単元の株数が100株なので、20株部分が単元未満株です。単元未満株主にも一部株主権(剰余金分配請求権など)が認められますが、単元...
単純平均株価とは、対象銘柄の株価を合計して銘柄数で割ったものです。計算方法が簡単なうえに、現在の株式市場における平均的な株価水準がどのくらいかを示しているため、わかりやすい指標でもあります。しかし、対象銘柄の会社が株式分割をしたり、権利落ちがあったりして株価が修正されたときなどは、単純平均株価では過去との連続性がなくなります。そのため、過去との連続性が必要な相場指標には、日経平均株価などの「修正平均株価」が用いられるのが通常です。東京証券取引所では、各区分ごとに普通株式の全銘柄を対象とした単純平...
チャート分析とは、株価や為替などの将来の値動きを価格や出来高などの過去の動きから予測する分析方法で、テクニカル分析とも呼ばれます。価格や需給の動きを時系列でグラフ化したものをチャートと呼びます。このチャートで表されるグラフの形などを分析して今後の値動きを予想します。チャート分析のための分析手法にはさまざまなものがあり、ローソク足、MACD、ボリンジャーバンド、RSIなどが代表的です。チャート分析に対し、企業の業績や資産、経済状況などの情報をもとに分析する手法をファンダメンタルズ分析といいます。チ...
建玉(たてぎょく)とは、信用取引や先物取引、オプション取引、FXなどにおいて、取引約定後に反対売買されないまま残っている未決済分を指します。略して「玉(ぎょく)」とも呼ばれ、買い付けとなっている建玉を買い建玉、売り付けとなっているものを売り建玉といいます。建玉の総数は相場動向によって増減し、売買高や人気を計る目安のひとつとなっています。信用取引では同一銘柄を取引しても現物取引のように合算されず、約定ごとに建玉が存在することになります。同一銘柄の複数の建玉の中から特定の建玉のみを決済したい場合は、...
ダブルボトムは、株価の底入れを示すテクニカル分析のシグナルのひとつです。株価が大きく下落したあと、いったん上昇に転じ、そこから再び下落して前回の安値近辺で切り返すとチャートはアルファベットの「W」のような形となります。そのとき、株価がネックラインを上回るとダブルボトムが完成し、上昇のシグナルとして意識されます。ダブルボトムは株価の底入れを示すシグナルですが、これと逆の形がダブルトップとよばれるものです。ダブルボトムがアルファベットの「W」なのに対し、ダブルトップは「M」のような形となり、株価の天...