時間分散という言葉は、2つの意味で使用されることがあります。ひとつは投資タイミングの分散で、ある程度長い時間軸のうえで、「ドル・コスト平均法」(定時定額購入)に代表される複数回に分けての投資や、複数回に分けての売却で、買値や売値が平均化されることによって高値づかみや安値売りを避けようとするものです。もうひとつが長期間投資することによって、1年当たりの価格変動のブレが小さくなる効果を期待するもので、長期投資によるリスク低減効果のことを時間分散効果と呼ぶことがあります。「ドル・コスト平均法」による時...
証券取引所において、同一銘柄、同一値段の売り買いそれぞれの注文について、注文が行われた時間によって、先に出された注文が、後に出された注文に優先するという原則のこと。価格優先の原則と並んで、オークション方式で行われる取引所取引の重要な原則になっています。時間優先の原則は、たとえば、Aさんがある銘柄について1,000円で3,000株の買い注文を9:30に出した後、Bさんが同じ銘柄について1,000円で5,000株の買い注文を9:35に出していたとします。他に買い注文はなく、9:40に1,000円で5...
新株予約権付社債(転換社債型)とは、一定の条件で発行体企業の株式に転換できる権利が付いた社債のことです。一般的には転換社債またはCBと呼ばれます。CBとは「ConvertibleBond」の略です。一定の利息を受け取ることができ、償還日まで保有することで額面金額が払い戻されますので、社債としての側面を持つ一方、株式に転換して株価の値上がり益を得るという株式としての側面も持っています。ただし、株式に転換できるメリットが付いているため、普通社債に比べて利回りは低くなっています。購入した後は、3つの運...
塩漬けとは、現在の価格が買い値よりも下がっていて、売ると損が出る状態であるために、やむをえず長期保有していることをいい、特に株価が近い将来も上がりそうにない銘柄を持っている場合によく使われます。塩漬けの定義として、具体的な損失額や保有期間などはありません。株では、「見切り千両、損切り万両」という格言があるくらい、株価が下がったときの売却のタイミングは重要かつ難しいとされています。上昇の見込みもない株を保有することは運用の効率としてもよくないことですよね。運用資産の目的や期間に合わせて保有し続ける...
各銘柄の時価総額とは、通常、「株価×発行済株式数」で計算され、その企業の規模を示しているものといえます。また、その数値が市場全体の規模を示すために使われることもあります。なお、TOPIX(東証株価指数)を算出する際に使われている時価総額は、上場株式数のうち大株主などの安定株主の保有株数を除いた「浮動株数」(=上場株式数×浮動株比率)をもとに計算しています。
CEOとは「Chief Executive Officer」の略で、取締役会の委託を受け、その意思決定に従って経営方針の決定や事業戦略の策定に関して責任を持つ最高経営責任者を指します。これに対し、その方針に従って実務を執行する最高執行責任者をCOOといいます。もともと米国型のコーポレートガバナンス(企業統治)の考え方として、経営と執行の責任を明確化するために用いられる役職名ですが、日本では従来型の代表取締役社長の意味で使われるケースも多いようです。
ユーロネクスト・パリに上場する40銘柄で構成される調整時価総額加重平均指数です。1987年12月31日の株価を基準値1,000として算出されています。フランスの代表的な指数であるとともに、欧州においてドイツのDAX指数やイギリスのFTSE100と並び注目されています。世界的に有名な企業では、化粧品会社のロレアルや自動車のルノーなどが入っています。
正式名称は「Chicago Mercantile Exchange」で、シカゴ・マーカンタイル取引所のことです。米国シカゴにある商品先物取引所・金融先物取引所で、農産物・通貨・金利・株価指数など、広い範囲の先物取引・先物オプション取引が行われています。日経平均株価の先物・オプション取引も取り扱っています。また、24時間取引が行える電子取引システム「GLOBEX(グローベックス)」も提供しています。
COOとは「Chief Operating Officer」の略で、CEO(最高経営責任者)が示した経営方針に従って、実行部隊を統括する執行役として職務を行う最高執行責任者を指します。もともと米国型のコーポレートガバナンス(企業統治)の考え方として、経営と執行の責任を明確化するために用いられる役職名です。ほかに、CFO(Chief Financial Officer=最高財務責任者)などがあります。
ザラ場とは、寄付から引けまでの間の取引時間のことをいいます。寄付や引けでは、売り注文と買い注文を整理してまとめて売買を成立させる板寄せ方式を採用していますが、ザラ場では値段優先で、条件が同じであれば発注が早いものから売買を成立させるオークション方式を採用しています。「ザラ場」とは、寄付から引けまでの間に成立する取引そのものを呼ぶ場合もあり、「いくらでも普通にある場」という意味で名付けられたといわれています。なお、ザラ場引けとは、前場引けや後場引けに取引がなく、ザラ場でついた株価のまま取引が終了す...
株価は上昇と下降を繰り返しながら推移していきますが、上下幅が大きいときもあれば、小さいときもあります。株価の変動が一定の範囲で継続している状態を「保ち合い」といい、株価の上昇・下落の値幅が徐々に狭まっていき、チャートの形が三角形のようになる状態を「三角保ち合い」と呼んでいます。三角保ち合いが出来ると、その頂点で株価がどちらかに大きく動く習性があるとされています。三角保ち合いのパターンとしては3種類あります。(1)均衡している三角保ち合い・・・出来た三角形が二等辺三角形で株価がどちらに向かうのか先...
地合いとは、ある銘柄や株式市場全体、相場の状態(値動き)のこと。取引が活発に行われていて、株価が上昇する傾向にあると「地合いが良い」といい、反対に、取引量が少なく、株価が下落傾向にあると「地合いが悪い」という言い方をします。ただし、地合いの良し悪しについては明確な基準があるわけではなく、投資家や市場関係者の感覚的なものなので、全ての人が同じ印象を抱くかというと必ずしもそうではありません。地合いが良いときに買って、地合いが悪いときに売ったほうが良いのかというと、一概にはいえません。逆張りの発想で考...
株式相場において、現物市場と先物市場の間で先物市場の値動きが先行していること。たとえば、日経平均株価と日経225先物は基本的に連動しますが、時間差で先物市場に大量の売りものが入り価格が下落、これを受けて現物市場の日経平均株価も下げることがあります。テレビや新聞などで見かける「先物主導で下げた」という表現は、このような場合を指します。
先物取引とは、将来のある日(決済期日)に、現在約束した価格で商品を売買できる取引のことです。売買される商品としては、大豆やとうもろこしといった農産物や石油、貴金属、形のない株価指数といったものまで取引されています。先物取引は実際の取引の10%程度の証拠金といわれる、いわば手付金のようなもので取引できます。つまり、実際には10倍ものお金を投資していることになるので、高いリターンを得る可能性もある代わりにリスクも高くなります。価格の変動によっては証拠金より大きな損害が出ることもあるので、リスクをしっ...
希望する売買価格(買いの場合は上限価格、売りの場合は下限価格)を指定して発注する方法。たとえば、株式の売買において、「A株式を500円で1,000株買いたい」や、「B株式を500円で1,000株売りたい」などといった注文を指値(さしね)注文と呼びます。買い注文は、指定した値段以下の売り注文が出れば約定でき、売り注文は、指定した値段以上の買い注文が出れば約定できます。一方、「いくらでもいいから買いたい」や、「いくらでもいいから売りたい」といった値段を指定しない注文方法を、成行(なりゆき)注文と呼び...
裁定取引(アービトラージ)において、一度組んだ裁定取引のポジションを、利益を確定する目的などで解消することを「裁定解消」と呼びます。裁定取引には、「裁定売り」と「裁定買い」があり、株式の裁定取引では一般的に「裁定買い」は、「先物売り」と「現物買い」のセットで行われます。売っていた先物を買い戻し、同時に買っていた現物を売却するという裁定解消について、現物の売りが出ることを「裁定解消売り」と呼びます。株式市場の通常の取引量が少ないときに、機関投資家などによる大量の「裁定解消売り」が出ると、それによっ...
財務諸表とは、企業の業績や財務状況をまとめた資料のことで、決算書ともいわれます。代表的な財務諸表として、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などがあり、株式会社であれば必ず年に1回は財務諸表を作成して、株主総会に提出する必要があります。投資家にとっては、その企業の1年間の業績を見ることができる重要な投資判断の材料となる資料です。財務諸表は一般の人が目にすることができるまで決算から3ヵ月程度かかるため、要約である決算短信が事前に配布されます。また、これらの資料は企業のホームページなどでも...
酒田五法は、江戸時代に米相場で活躍した本間宗久(1724~1803年)によって考案されたテクニカル分析です。本間宗久が山形県酒田市周辺の大地主だったことから酒田五法の名がついたといわれています。酒田五法の基本チャートパターンは、三山(さんざん)、三川(さんせん)、三空(さんくう)、三兵(さんぺい)、三法(さんぽう)の5つ。これら5つのパターンを組み合わせて相場の先行きを予測していきます。株式投資やFXなど、現在でも酒田五法を活用して相場予測をする投資家は少なくありません。
先物市場やオプション市場などで相場が大きく変動し、過熱してきたときに取引を一時中断することで投資家の過熱感を鎮め、冷静な判断の機会を設けるために取引所が講じる措置のことです。サーキットブレーカーの制度は、米国のブラックマンデー(1987年)をきっかけにニューヨーク証券取引所で取り入れられました。なお、東京証券取引所では、1994年から導入されました。2020年3月には、新型コロナウイルス感染拡大によるパニックムードを抑えるために、米国と日本でたびたびサーキットブレーカーが発動しました。
「サイコロジカル」とは、「心理的な」という意味です。サイコロジカル・ラインとは、投資家の心理を数値化したものです。たとえば、コインの裏表を予想するゲームで10回連続して表が出た場合、本来、コインの表裏はどちらも出る確率は1/2ですが、ゲームのプレーヤー心理では、「10回連続して表が出ているのだから、そろそろ裏が出るのではないか」という心理に傾く可能性が高くなると考えられます。投資家にも同様の心理が働き、連続で上昇した株価は、下落する可能性が高まっていると判断する投資家が増えてくると考えられます。...