株価などの値動きをグラフにしたもので、株価チャートとも呼ばれます。最も代表的なものが「ローソク足」で、そのほかにも、棒足や止め足、カギ足、新値足など、さまざまな種類があります。株価の動きをローソク足にしたとき、始値に比べて終値が安かった場合に黒で表示されるのが陰線、逆に始値に比べて終値が高かった場合に白で表示されるのが陽線です。始値、終値、高値、安値といった4本値で作られ、始値や終値よりも高い高値や、安い安値がついた場合は、その価格まで線(ヒゲ)を伸ばします。ローソク足は、古くは江戸時代の堂島の...
株式投資や投資信託などの運用手法の一種で、企業の成長性が市場平均よりも高いと期待される銘柄に投資する手法です。PERやPBRの数値は多少高くても、今後の成長性を評価して投資するというスタンスです。なお、投資信託の中で、このような手法で銘柄を選定しているタイプをグロースファンドといいます。これに対して、企業価値から考えて株価が割安と判断される銘柄に積極的に投資する手法をバリュー投資といいます。たとえば、高い成長性が期待される銘柄は一般的に配当利回りが低くなることが多いといえますが、これは配当を払う...
グリーンメール(Green Mail)とは、標的にした企業に高値で買い取らせることを目的にして、その企業の株式を買い集めることです。緑はドル紙幣をイメージさせる色で、これに脅迫状を意味する「ブラックメール」を掛け合わせた造語です。なお、これを頻繁に繰り返す人を、グリーンメーラー(Green Mailer)といいます。
グロース市場は、東京証券取引所が2022年4月4日から導入した新市場区分のうち、比較的規模の小さいベンチャー企業などが参加する市場です。新市場区分では、流動性やガバナンス水準、経営成績や財政状態といった項目に一定の基準を設け、上から「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」に区分されます。東証のホームページによると、グロース市場は、「高い成長可能性を有する企業向けの市場」とされています。グロース市場の上場基準には、株主数150人以上、流通株式数1,000単位以上、流通時価総額5億円以上...
福岡証券取引所が2000年に開設した新興企業向けの株式市場。コンセプトは、九州周辺の地域経済の浮揚・発展に資するため、今後成長しようとする企業に対し、資金調達の機会を提供することをコンセプトとしています。上場審査は過去の実績は問われず、今後の成長が期待できる企業が対象。上場時の時価総額も3億円以上と、他の新興市場に比べてハードルが低くなっています。
株式等の募集や売出しに際して、オーバーアロットメントによる売出しが実施された場合に、借り入れた株式等の返還を目的として主幹事会社が行使する権利のことをいいます。主幹事証券会社は、発行者や大株主等にこの権利を付与してもらいます。主幹事証券会社はシンジケートカバー取引等の状況によってグリーンシューオプションの全部または一部を行使しないこともあります。
逆三尊は、株価の底入れを示すテクニカル分析のシグナルのひとつです。下落している株価がいったん上昇し、そこからさらに下落して直前の安値を下回ります。再度上昇しますがそこからまた下落し、最初の安値を下回らずに反発し、ネックラインを上回れば逆三尊の完成です。株価の底入れ上昇が期待できます。逆三尊は3つのボトム(谷)で形成される「底入れ上昇」を示すテクニカル指標ですが、これとは逆に3つのトップ(山)で形成されるのが「三尊」です。こちらは株価の「天井からの下落」を示すシグナルとなります。
投資手法(スタンス)の一種で、相場の下落局面で買い、上昇局面で売るというやり方です。株価が適正水準よりも大きく下落したときに買いを入れて、反発したところで売るというような、一見、相場の大きな流れに逆らって動くような投資スタンスです。反対に、相場の上昇局面では買い、下落局面では売るという手法を「順張り」といいます。逆張りでは、何を基準に株価を評価して取引するかがカギになります。一般的には移動平均線からの乖離率などのテクニカル分析を用いることが多いようですが、ファンダメンタルズ分析を用いて行うケース...
キャッシュリッチ企業とは借入金がなく、現金など手元流動性の高い資産(Cash)を潤沢(Rich)に保有している企業のことです。実質的に無借金で、新規事業への設備投資や配当などに回せる余裕資金があることから、投資対象として魅力がある半面、買収後に企業を解散して財産を分配したときの価値(解散価値)が高いので、敵対的買収のターゲットになりやすいともいわれます。
逆指値注文とは、一般的に、株価等が投資家の指示した一定の価格条件に到達した時に直ちに発注する旨の条件が付された注文です。通常の指値注文とは逆で、トリガー価格より株価が高くなったら「買い」、安くなったら「売り」の注文が可能となります。たとえば、投資家が購入した銘柄の購入価格が1,000円であるとき、「900円まで下落したら成行(なりゆき)で売却する」という注文を行うことで、損失拡大を回避するリスク・コントロールが可能となります。逆指値注文は、立会時間中に株価の動きを見ながら取引できない投資家にとっ...
逆ザヤとは、投資価格の変動によって購入価格より売却価格や現在の価格が安くなっている状態を指します。「サヤ」とは買値と売値の差のことで、買値より売値が高い状態を利ザヤ、その逆の状態を逆ザヤと呼びます。
通常、新株発行などの増資を行った場合、発行済み株数が増えることにより、1株当たりの価値が低下することになります(株式の希薄化)。そのため、増資を行った企業の株価は、希薄化により下落するのが一般的です。ただし、その増資目的が前向きな場合や、企業にとって大きなメリットがあるような場合は、逆に株価が上昇するケースも見受けられます。
疑義注記とは、「継続企業の前提に関する注記」のことです。企業が将来にわたって事業を継続するとの前提を「ゴーイングコンサーン」といいますが、連続した赤字や売り上げの著しい減少などにより、事業の継続に問題が生じた場合には、財務諸表などに注記することが義務付けられています。疑義注記の付いている銘柄は、それなりのリスクがあることを認識しておきましょう。疑義注記がついた銘柄は、そのリスクから株価が売られる傾向があります。一方で、疑義注記が外れた場合には、それを好感して株価が急上昇するケースも見受けられます...
議決権とは、株主総会での決議に参加して票を入れることができる権利のことで、一般的には1単元株に対し1つの議決権があります。株主総会では、会社の運営や資産の使い方などの重要な事案が決められます。このときに事案に対して議決権を持つ人が賛成、反対の票を入れますが、票の数は1人1票ではなく、株の保有数に応じて決まります。総会に出席できない場合は、ハガキで投票することもできます。最近ではインターネット上で議決権が行使できるシステムも採用されています。単元未満の株には議決権がなく、るいとうなどで単元未満株を...
株式の新規上場や売出しに際して、発行する企業と証券会社との間で元引受契約の内容を確定させる証券会社のことを指します。「幹事証券会社」ともいいます。事業会社に対して各種アドバイスなどを行う一方、投資家への販売を行う際に販売会社のとりまとめなどを行います。
上場銘柄が上場廃止基準に該当する恐れがある場合に、投資家にその事実を周知するため、証券取引所により指定された銘柄のことです。東京証券取引所では、2008年1月15日より「監理ポスト」という表現は使用しなくなり、「監理銘柄への指定」となりました。監理銘柄には、「監理銘柄(審査中)」と「監理銘柄(確認中)」の2つの区分があります。たとえば、「有価証券報告書等に虚偽記載を行い、その影響が重大である場合」などには「監理銘柄(審査中)」に指定され、「監理銘柄(審査中)」に該当しない場合は「監理銘柄(確認中...
株主代表訴訟とは、株式会社が取締役や監査役などの責任追及を怠っている場合に、株主が会社を代表して法的責任を追及し、会社が受けた損害を賠償させることを目的とした訴訟手続きのことです。6ヵ月以上株式を保有している株主であれば、誰でも提起する権利が認められています。ただし、株主に対してではなく、あくまでも会社に対する支払いを命じる訴訟となります。