BOE(Bank of England)はイングランド銀行のことを指し、中央銀行としてイギリスにおける物価の安定とイギリス政府による経済政策の支援を行っています。イングランドとウェールズにおける法定通貨であるポンド(UKポンド)の発券銀行です。政策金利などの決定は、BOEの金融政策委員会(MPC)が行っており、金融政策変更などの動向はマーケット関係者や投資家に常に注目されています。銀行のある住所から「Old Lady(老婦人) of Threadneedle Street」との愛称があります。欧...
PMI(Purchasing Manager's Index:購買担当者景気指数)とは、企業の購買担当者らの景況感を集計した景気指標のひとつです。国別や、製造業、サービス業ごとの集計が行われており、米ISM(Institute for Supply Management)やIHS Markit社が公表しているものが有名です。一般的に鉱工業生産や雇用統計などの統計よりも景気先行性があるとされ、運用担当者の注目度が高い指標のひとつと言えます。一般に、PMIの数値が50を上回ると景気拡大、50を下回る...
PERとは「Price Earnings Ratio」の略で、株価が1株当たり純利益(EPS:Earnings Per Share)の何倍まで買われているかを見る投資尺度です。現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。PERの数値は、低いほうが株価は割安と判断されます。なお、1株当たり純利益は当期の予想数値を用いるのが一般的です。一般的に利益成長の高い会社ほど、将来の収益拡大期待が株価に織り込まれるため、PERは高くなる傾向があります。しかし、PERが何倍だ...
損益計算書に記載される項目で、商品や製品を販売するために直接かかる費用(販売費)と会社全般の業務の管理活動にかかる費用(一般管理費)の合計額のことを指します。すなわち、企業の営業活動に要する費用のうち、売上原価に該当するものを除いた総称で、「営業費」ともいいます。売上総利益(売上から売上原価を差し引いた利益)から「販売費及び一般管理費」を差し引いた金額が、本業で獲得した利益を示す「営業利益」となります。販売費には、販売手数料、広告宣伝費などが該当し、一般管理費には、間接部門の人件費、減価償却費、...
バルチック海運指数(Baltic Dry Index、通称BDI)とは、イギリスのバルチック海運取引所が算出するばら積み船運賃の総合指数のことです。基準となる1985年1月4日を1000として算定し、取引所が各ブローカーなどから市況を聞き取って、毎営業日に発表しています。海運関連の会社の株価は、同指数との連動性が高いといわれています。
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)など、株式投資において割安・割高を判断する指標はいくつも存在します。理論的には、割安な銘柄は株価上昇による水準訂正が期待できますが、割安な銘柄がいつまで経っても割安なまま放置される状態をバリュートラップといいます。株価が低迷する理由はさまざま。ひとつの指標だけで割安の判断をするのは危険です。割安な株には「割安な理由」があるものです。株式に投資する場合には、複数の指標を用いて多角的に判断する習慣をつけましょう。
投資の世界においてパフォーマンスとは、運用成果や運用実績、また過去の価格の動きを指しています。投資家にとっては、一定の期間内に良いパフォーマンスをあげて、できるだけ多くの収益(リターン)を獲得することはとても重要です。その際、手にした収益だけを見るのではなく、投資したものの収益がリスクに見合ったものだったか、また、手に入れた投資収益が投資環境に比べて良かったのかどうかといったパフォーマンスを総合的に測定することもまた大切です。これにより、自分の投資判断や実行したプランが妥当だったかを検証し、投資...
ハネムーン期間とは、政権交代後、新政権発足からの最初の100日間を指します。発足直後の新政権は概ね高い支持率を示す傾向が強いため、国民やマスコミとの関係を甘い新婚期(ハネムーン)に見立ててこう呼びます。二大政党制で政権交代を何度も経験している米国では、新政権が軌道に乗るまでにある程度時間がかかることを国民が理解しています。そこで、この期間中はマスコミも野党も新政権に対する過度な批判や性急な評価を避け、「お手並み拝見」とばかりに様子見するという慣習、紳士協定があります。
パナマ文書(Panama Papers)とは、パナマの法律事務所モサック・フォンセカによって作成された租税回避行為に関する機密文書です。1970年代から作成された膨大な記録で、世界の企業や個人がタックス・ヘイブンを利用して租税回避やマネーロンダリングをしている実態が記されており、2016年5月に情報漏えいをきっかけに公表されました。そこには有名企業や各国要人、著名人、犯罪者なども含まれており、アイスランドの首相が辞任に追い込まれるなど、世界中が騒然としました。
ハト派とは、もともと平和主義的な手段で穏健に自分の主義主張を通す人や集団を指し、逆に強硬手段もいとわず推し進める人や集団をタカ派といいます。平和の象徴でもある温和なハトと高圧的なタカのイメージのコントラストをもとにつけられた呼称です。経済においては、各国の中央銀行の金融政策を決定する際、景気刺激に積極的で金融緩和的な政策を支持する傾向があるメンバーをハト派と呼びます。反対に、物価の安定を重視して金融引き締め的な政策を支持する傾向があるメンバーをタカ派と呼びます。
少子高齢化の進展により労働力人口が減少し、このままいくと国の生産性や国力が低下する可能性が高いことから、労働者の働き方を見直し、その影響をできるだけ少なくしようとする取り組みを指します。安倍政権(当時)が掲げる「一億総活躍社会」実現に連動する形で2017年頃から活発に議論されています。働き手を増やすとともに、労働生産性を上げることが目標とされ、そのために働き方の多様化、長時間労働の抑制、正規労働と非正規労働の格差縮小、高齢者や女性の雇用促進などが検討されています。
買収合併裁定とは、企業同士の買収合併が成立することを見込んで、関連する企業の株式の裁定取引を行うことを指し、買収合併アービトラージともいいます。個別企業の重要な出来事を利用して収益を得る「イベント・ドリブン」戦略の1つです。企業の買収が見込まれる場合、買収企業の提示価格(買収価格)と市場価格のかい離に着目し、割高な方を売って割安な方を買うことで収益を狙います。ただし、買収計画自体が白紙になれば、損失につながる可能性があります。
バイサイドとは、証券会社などから株式や債券などの金融商品を購入する側で、主に運用会社を指す業界用語です。バイサイドのアナリストたちは、自社で運用を行っている投資家に向けてのみ情報を発信します。セルサイド(証券会社)のアナリストが書いた調査レポートなどは一般にも目にする機会がありますが、バイサイドのレポートは一般の個人投資家が見るのは困難です。
英語でのバイオ(bio)は、生命や生物を表す接頭語ですが、日本では一般的に生物学を意味する「バイオロジー」と「テクノロジー」(技術)の合成語である「バイオテクノロジー」を指します。生物が持っている能力や性質を人々の生活に役立てる技術です。株式市場においては製薬会社や創薬ベンチャーなどを「バイオ関連」と呼んでいます。株式市場に上場している創薬ベンチャーは赤字の会社も多い一方で、投資家が新薬の開発など夢を託して投資するため株価が急騰し、株価指標などでは説明のつかない数値まで買われている銘柄も少なくあ...
灰色のサイ(Gray Rhino)とは、マーケットにおいて高い確率で大きな問題を引き起こすと考えられるにも関わらず、軽視されてしまいがちな材料を指します。草原に生息するサイは体が大きくて反応も遅く、普段はおとなしいのですが、一旦暴走し始めると誰も手を付けられなくなり、爆発的な破壊力を持つことから、比喩として用いられています。たとえば、不良債権や少子高齢化などは、直近ではそれほど問題視されていなくても、いずれ拡大して表面化すれば株価暴落を引き起こしかねない潜在的リスクです。2013年のダボス会議(...
ハードランディング(Hard Landing)とは、主に過熱した景気が為替レートや株価、金利などの急激な変化や悪化を伴いながら失速することをいいます。もともと飛行機が衝撃を伴いながら強行着陸する様子を指し、強硬な手段によって問題の解決を図ることを指す言葉として、広く使われるようになりました。反対に、穏便な手段によって問題の解決を図ることを「ソフトランディング」といいます。
暗号資産(仮想通貨)におけるハードフォークとは、仕様の変更を意味します。ハードフォークが行われると、従来のものとの互換性がなくなるため、新しい暗号資産が誕生します。たとえば、ビットコインは、これまでも幾度となくハードフォークを繰り返したことで、「ビットコインキャッシュ」「ビットコインゴールド」「ビットコインダイヤモンド」「ビットコインシルバー」などの新通貨が誕生しました。ハードフォークを控えた暗号資産は、ハードフォーク実施の前後で相場が大きく変動する傾向があります。一方、暗号資産そのものの仕様を...
BaaSとは「Banking as a Service」の略で、従来、金融機関が提供してきた銀行の機能やサービスをモジュール化し、さまざまな企業が自社のサービスに組み込んで利用できるようにする仕組みを指します。これまでは金融機関以外の企業が決済や送金、融資といった金融サービスを提供することは困難でしたが、API(アプリなど)を利用して銀行のシステムに接続することで、これらの金融サービスを自社サービスの一部として提供できるようになります。金融機関以外の企業の金融サービス提供を可能にするBaaSには...
ノンリコースローンとは、特定の事業や資産から生じるキャッシュフローのみを返済原資とするローンのことです。返済は担保の範囲内に限定されます。事業や資産の対象はさまざまですが、主に不動産分野で活用されています。ノンリコースローンは責任範囲を限定できる、また万一返済できない場合でも、ほかの事業や資産に影響が及ばないというメリットがある半面、融資条件が不利などのデメリットもあります。
新たな状態や常識を指す用語で、構造的な変化が避けられない状態を指します。世界経済はリーマンショックから立ち直っても、もとの姿には戻れないとの見解から生まれた言葉です。2014年、中国では、習近平国家主席が中国は「新常態」に入りつつあると述べたことから、これがニューノーマルに相当するとして話題になりました。新型コロナの感染拡大により、在宅勤務が増えたり、EC(電子商取引)サイトでの買い物が増えたりしたこともニューノーマルとされています。