額面金額とは、一般的には債券の最低申込単位のことで、債券によって異なります。ただし、債券は必ずしも額面金額で発行されるわけではなく、新規に発行する際の価格は発行価格といいます。発行価格は額面金額100円当たりで表示されます。たとえば、「額面金額10万円」で「額面金額100円当たり発行価格が100.25円」の債券を購入するときに必要なお金は、100,000円÷100円×100.25円=100,250円です。償還を迎えると額面金額で戻ってきます。債券の発行価格は、その都度、変わります。たとえば、利付...
格付会社とは、債券などの金融商品やその発行体の債務支払能力などを総合的に評価する会社のことです。信用度の高いものから順に記号や数字を用いて表示した等級(信用格付け)を付与し、債券やその発行体の信用力を示しています。S&P、Moody's、Fitchの日本法人のほか、JCR、R&Iなどの格付会社が金融庁の登録を受けています。
一般に、発行体、発行市場、通貨のいずれかが海外である債券を外債といいます。外債のうち、払い込み、利払い、償還金の支払いを外貨建てで行うものを「外貨建て債券」といいます。また外債のうち、海外の発行体により日本国内市場で円建てで発行される債券を「サムライ債」、国内・海外の発行体により日本国外で円建てで発行される債券を「ユーロ円債」といいます。
外国証券売出しで対象商品(外国債券や外国株式等)を勧誘する際に、内閣府令で定めた「発行者情報」、「証券情報」を記載した書面を作成の上、必要に応じて対象顧客に交付することとされています。この書面を外国証券情報といいます。
応札倍率とは、競争入札の実施による国債入札などで「応札額」(分子)を「落札額」(分母)で割った値(倍率)です。落札額に対してどの程度の規模の応札額があるかを示し、ここから算出される応札倍率で需要の強弱が判断できます。応札倍率が高いと需要が強く(人気が高く)、低いと需要が弱い(人気が低い)と判断できることになります。
債券の分類方法のひとつで、発行体と縁故関係のある特定の者などを対象として発行される債券のことを指します。縁故債は「私募」「非公募」と同義で、広く購入者を募る公募債とは異なり、特定の投資家を対象とすることから、機動的な発行が可能で、規制も公募債と比較して緩やかなものになっています。地方公共団体が金融機関を対象に発行する「銀行等引受地方債」が縁故債の代表です。募集相手を決めて発行する形式であるため、市や区のような小規模な発行体でも縁故債を発行することがあります。
一般担保付社債とは、発行体の全財産について、他の債権よりも優先的に弁済される権利が付けられている社債のことです。担保付社債の一種で、特別法に基づいて発行され、電力債やNTT債などが該当します。
縦軸に最終利回り、横軸に債券の残存期間を取ったグラフ上に、(同一発行体の)債券の最終利回りと残存期間に対応する点をつないだ線をイールドカーブ(利回り曲線)といい、代表的なものが「国債イールドカーブ」です。残存期間の長短による利回りの関係を分析する際に利用します。通常、長期金利は短期金利を上回っており、イールド・カーブが右上がりの曲線となっている状態を順イールドといいます。逆に短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブが右下がりの曲線となっている状態を逆イールドといいます。イールドカーブはマーケッ...
EB債(Exchangeable Bond)とは、債券の発行体とは異なる他社株式(対象株式)への転換条件が付いた債券で、仕組債の一種です。対象株式の株価があらかじめ定められた所定の条件に該当した場合には、償還金(現金)ではなく、対象株式(場合によって現金調整額含む)で償還します。EB債は、基本的には国債などよりも高い利回りが設定されていますが、株式で償還する場合、価格変動リスクなどが伴います。エクイティ系仕組債には、ほかに利率や償還金額が日経平均株価やS&P500種指数など、株価指数の水準に応じ...
赤字国債とは、国の財政の赤字を補填するために発行される特例国債のことで、その性質上赤字国債とも呼ばれます。財政法上、赤字国債の発行は認められていないため、特例法を制定して発行されます。既に赤字国債を含めた普通国債残高は2022年度末で1029兆円にも上ると見込まれており、赤字国債依存からの脱却が急務となっています。公共事業のための国債を建設国債といい、この発行は財政法上認められています。
IMM通貨先物は、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場する商品で、国際通貨の先物市場のことです。各通貨先物の出来高や売り買いの建て玉の内訳は、火曜日に集計され、その週の金曜日に公表されます。公表されるデータの中には、「Non-Commercial 」、いわゆるヘッジファンドなど「投機筋」のポジション動向も開示されます。これを「IMM通貨先物ポジション」と呼び、相場の先行きを予測する指標として、世界中の投資家が注目しています。「IMM通貨先物ポジション」は、ヘッジファンドなど短期筋の...
海外の発行体(国際機関や外国政府、民間企業)により日本国内市場で円建てで発行される債券のことです。利金が円で償還金が外貨のデュアル債や、利金が外貨で償還金が円となるリバース・デュアル債のようなサムライ債もあります。円建てであっても、日本国外で発行されるものを「ユーロ円債」といいます。ほとんどがユーロ市場で発行されることから「ユーロ円債」と呼ばれます。ここでいう「ユーロ」は、通貨が自国市場以外で取引される場合に、その取引市場を「ユーロ市場」と呼ぶことに由来していて、欧州統一通貨であるユーロとの直接...
ロングとは、“買い”のことです。ただし、単に株などを買ったことをロングとはいいません。信用取引や外国為替証拠金取引など、担保をもとに取引をする場合に使われます。たとえば外国為替証拠金取引でドルを買う取引を行い、ドルを持って市場に参加している状態のことをロングポジションといいます。この場合、ドルが値上がり(ドル高)してドルを売れば利益を得られます。ロングとは逆に“売り”のことをショートといいます。多くは信用取引や先物取引などで使われる言葉なので、あまり聞き慣れない言葉だと思います。しかし、投資信託...
レバレッジ(Leverage) とは「てこの力」という意味で、上場投資信託は特定の指標に連動することを目指して運用され、上場されている投資信託(ETF)を指します。レバレッジ型ETFとも呼ばれます。レバレッジ型上場投資信託が連動を目指す指標は、 原指標の日々の騰落率のプラス○倍となるよう計算された指標です。たとえば、日経平均株価の日々の騰落率の2倍となるよう計算された指標である「日経平均ダブルレバレッジ・インデックス」に連動することを目指すレバレッジ型上場投資信託では、株価が上がったときにより大...
レーティングとは、投資の判断材料を段階評価することです。格付ともいいます。国や企業、商品などを証券会社や調査会社が独自に評価し、星の数や数字、ABCなどで結果を表します。外部から中立的な立場で作られた投資指標のひとつといえます。評価の基準や期間、頻度は調査会社などによってさまざまで、評価の対象も単に業績や運用成績の良し悪しだけではありません。たとえば、決められた運用ルールを正しく守っているかなども、評価の対象となる場合があります。レーティングはABCなどの段階で表すため、評価がわかりやすく、投資...
複数の資産や証券に分散投資するポートフォリオ運用において、資産の再配分をリバランスといいます。時間の経過とともに相場が変動することで、当初決定した資産配分が変わっていきます。そこで、定期的にその資産配分の比率を当初の計画どおりに修正を行います。これがリバランスです。たとえば、1,000万円の資金を国内株式と海外債券に当初は50%ずつ配分していたところ、1年後に国内株式が20%上昇し、海外債券が20%下落したとすると、その時点での投資配分は国内株式60%、海外債券40%に変化します。そこで国内株式...
REIT(不動産投資信託)とは、不動産に投資する投資信託のことです。REITは、「Real Estate Investment Trust」の略で、証券取引所に上場しているものは上場株式と同様に売買することができます。投資家から集めた資金で不動産を保有、管理し、主に物件の賃貸収入で収益をあげます。対象となる不動産はオフィスビルや商業ビル、マンションなどさまざまです。
MENA(Middle East & North Africa)とは、中東・北アフリカ地域の国々を指す略称です。産油国であるサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、クウェートなどを中心とした地域では石油収入をもとに経済基盤の改革・整備が行われています。また北アフリカ諸国は安価で豊富な労働力を持っており、今後も成長していく市場として期待されています。日本国内でもMENAを投資対象とした投資信託が販売されています。
マネージド・フューチャーズ(Managed Futures)とは、世界中のさまざまな先物・オプションを投資対象として、相場の上昇・下降の両局面で利益を追求する投資戦略のことで、CTA(Commodity Trading Advisor)戦略とも呼ばれます。株式、債券、金利、通貨のほか、エネルギーや農産物などの商品(コモディティ)の上場先物・オプションを単一のファンドに組み入れ、アルゴリズム取引で機動的に売買する投資手法です。レバレッジをきかせたハイリスク・ハイリターン型の運用で、ヘッジファンドの...
マザーファンドとは、複数のベビーファンドと呼ばれる投資信託から資金を預かり、それをまとめて運用する投資信託のことです。親ファンドとも呼ばれます。ベビーファンドの資金をまとめて運用することで、ベビーファンドが個別に運用するよりも運用規模を大きくしたり効率化を図ったりすることができます。このようにマザーファンドとベビーファンドを分けて運用する方式のことをファミリーファンド方式といいます。ファミリーファンド方式で運用される投資信託の場合、私たち一般の投資家が商品として認識して投資するのはベビーファンド...