信託財産とは、投資信託が保有している資産のことです。投資信託は投資家から集めた資金で株式や債券などの資産を売買しますが、保有している資産は運用方針によって異なります。信託財産は信託銀行に預けられ、運用会社からの指示によって売買されます。信託銀行では預かった資産を他の資産とは別に管理しています。これを分別管理といい、法律で義務付けられています。預金は万が一、金融機関が破綻してもペイオフ(預金保護制度)によって元本1,000万円とその利息までは守られているということをご存知の方は多いようです。では、...
信託銀行とは、信託業務を行う銀行のことで、顧客の現金だけでなく、株や債券などの金融資産、不動産などを預かり、管理、運用を行います。もちろん一般の銀行の業務も行っています。投資信託の仕組みの中では、投資家から集めた資金を管理し、運用会社からの指示で資産の売買を行っています。銀行や証券会社では投資信託を販売しても、その資産を預かることはありません。それらの資産を預かってくれるのが信託銀行です。では、もしも信託銀行が破綻すると資産はどうなってしまうのか?という疑問を持つ人もいるかもしれませんね。その答...
信託期間とは、投資信託を運用する期間のことです。信託期間は目論見書などで確認することができ、あらかじめ期間が区切られているものと、期限が決まっていない無期限のものがあります。定められた信託期間はあくまでも目安で、運用が困難になった場合には終了してしまうことがあります。また、信託期間が終了した場合でも、さらに延長されることがあります。長期運用を考えている場合であれば、信託期間が長めのものが選ばれる傾向にありますが、その投資信託の解約が多くなるなど運用総額が減少すると運用が困難になるため、途中で終了...
新興国とは、日欧米などの先進国に対し、現在の経済水準はまだ低いものの、高い成長性を秘めた国々のことをいいます。新興国はエマージングカントリーとも呼ばれ、具体的には、中南米、東南アジア、中東、東欧などの国々を指します。特に注目される国々は、BRICs(BRICS)、VISTA、ネクスト11といったグループで表されています。新興国は経済の急成長が期待できる市場として注目を集めていますが、経済や市場が未成熟であるため混乱することがあり、高いリスクが想定されます。
ショートとは、“売り”のことです。ただし、単に株などを売ったことをショートとはいいません。信用取引や外国為替証拠金取引など、担保をもとに取引をする場合に使われます。たとえば外国為替証拠金取引でドルを持っていない状態から、ドルを売り、その状態で市場に参加していることをショートポジションといいます。この場合、ドルが値下がり(ドル安)してドルを買い戻せば利益を得られます。ショートとは逆に“買い”のことをロングといいます。信用取引や先物取引、外国為替証拠金取引で使われる言葉なので、一般的には聞きなれない...
償還日とは、債券の場合、その保有者に額面金額を払い戻す満期日のことをいいますが、投資信託の場合は運用が終了する日のことをいいます。満期のようなもので、運用レポートや目論見書に掲載されていますが、償還日を無期限としている投資信託も数多くあります。償還日は、投資信託が発売される時点で決められていますが、運用成績が悪化したり、資産が少なくなったりして運用が困難になった場合には、償還日前でも償還されることがあります。投資信託を選ぶときは、運用成績や手数料だけでなく、償還日を確認することも大切です。償還日...
受託者とは信託用語のひとつで、委託者から託された信託財産の管理などを受益者のために行う者を指します。投資信託の場合では、投資信託委託会社からの委託を受けて、その指図に基づいて信託財産の保管と計算、受益証券発行の認証などを行う金融機関のことで、主に信託銀行を指します。受託者は信託財産の名義人となって自己の名前で管理するだけで、信託財産の運用実績や成果については責任を負いません。
信託財産の管理・運用などの成果を享受する権利である「信託受益権」を表示する有価証券です。投資信託の受益証券はファンドによる利益を受ける権利(受益権)を証券化したものですが、2007年の投資信託振替制度導入後はこれが発行されず、受益権の発生、消滅、移転がコンピュータシステム上の口座(振替口座簿)の記録によって行われるようになりました。
受益者とは信託用語のひとつで、受託者による信託行為で発生した利益を受ける権利を有する者を指します。投資信託の場合、投資信託を購入して保有する投資家は、信託の利益を享受する権利(受益権)を持つため、受益者と呼ばれます。償還金の受領、受益権の買取請求の権利、信託財産の運用収益の分配について、受益権の口数に応じて均等の権利を持っています。
受益権とは、投資信託の運用収益などの利益を受益者が受ける権利を指します。投資信託では保有者の受益権が均等に分割され、保有者は保有口数に応じて、信託財産の運用収益の分配、償還金の受領、信託財産の一部解約請求、受益権の買取請求などの権利を持ちます。受益権は、以前は受益証券という券面の形がとられていましたが、現在では原則として投資信託振替制度の対象とされ、振替口座簿上で管理されています。
自動けいぞく投資とは、投資信託から出た分配金を自動的に元の投資信託に再投資することです。分配金を再投資する際には税金を引いた残りの金額が再投資されます。再投資する場合は通常の申込手数料はかかりません。投資信託によって、自動けいぞく投資型と分配金を受け取る一般型があります。どちらかを選択できる商品もあり、購入時に選択することができます。自動けいぞく投資では、分配金の再投資が自動でできるため、複利運用の効果が得られます。分配金が口座に入金され、実際にその金額を通帳などで目にするのはうれしいと思います...
実績分配率とは、投資信託において基準価額に対してどのくらいの割合で分配金を支払ったかを示す数字です。主にMRFなどの公社債投資信託において、過去の分配実績に基づいて利回りに換算し、公表されています。MRFなどの公社債投資信託は安全性の高い債券で運用され、その実績分配率は預金金利と同じようにとらえられがちですが、あくまでも過去の実績を示したもので、将来を保証するものではない点に注意しましょう。なお、公社債投信は2016年2月の日銀によるマイナス金利政策の影響で運用実績が悪化しています。
コモディティ(Commodity)とは、一般に、“商品”のことを指す言葉で、コモディティ投資とは、商品先物市場で取引されている原油やガソリンなどのエネルギー、金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシや大豆などの穀物といったようなコモディティ(商品)に投資することをいいます。投資の仕方には、直接的に商品や商品先物の市場で運用される商品ファンドが以前からありましたが、近年では、商品指数に償還価額が連動する債券などに投資する投資信託など、利用方法の選択肢が広がってきています。商品先物の市場の動向は、物価...
投資信託を購入した投資家(受益者)ごとの計算上の買い値のことをいいます。追加型の投資信託では、投資家の購入日によってこの個別元本は異なります。株式投資信託を換金した場合は、換金時の基準価額(または解約価額)と投資家の個別元本との差額が収益とみなされ課税されます。また、投資信託から収益の分配を受けたときには、受け取った収益分配金の分だけ基準価額が修正されますが、この修正された後の基準価額のことを分配落ち後の基準価額といいます。そして、追加型株式投資信託では、この分配落ち後の基準価額が投資家の個別元...
国内で日本の法律、「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づいて設定される投資信託のことです。国内で販売されている証券投資信託のほとんどが国内投資信託で、その数は数千本にも及びます。また、投資信託協会の商品分類上で「国内」とされるものは「主たる投資収益が、実質的に国内の資産を源泉とするもの」を指します。この国内投資信託に対して、海外で、海外の法令に基づき設定される投資信託を「外国投資信託」といいます。
証券投資信託を投資対象によって分類したとき、約款上、投資対象に株式を一切組み入れないこととして、公社債(債券)などで運用する証券投資信託のことをいいます。MMF(マネー・マネージメント・ファンド)、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は公社債投資信託の一種です。投資対象に株式を少しでも組み入れていたり、株式を組み入れることができる旨が投資信託約款に記載されていたりする投資信託は、公社債投資信託として募集することはできません。逆に株式を全く組み入れていなくても、約款で株式を投資対象としていたら株式...
決算日とは、投資信託の決算を行う日のことです。年1回、年2回、毎月など、投資信託によって異なります。決算日には、その期間の投資信託の損益や資産状況の計算、分配金の支払いなどが行われます。運用報告書は決算日に作成され、投資信託を保有する投資家に配布されます。ただし、決算期間が6ヵ月未満の投資信託は、6ヵ月ごとに発行されます(MRFは1年ごと)。分配金の支払いは、決算日に行われますが、実際に分配金が手に入るのは数日後になります。「今日が決算日なのに分配金が来ない」と慌てないようにしましょう。
投資信託には設立形態の違いにより「会社型」と「契約型」の2種類があります。契約型投資信託は、運用会社と信託銀行が信託契約を結ぶことにより組成され、運用される投資信託のことをいいます。現在設定されている投資信託の多くがこの契約型の投資信託です。一方の会社型投資信託は投資法人を設立し、法人が発行する投資口座を投資家が購入するもので、REIT(不動産投資信託)などが代表的な商品です。
グローバル債券とは、2ヵ国以上の国で同時に発行、募集される債券のことです。通常、債券は1国の国内のみで発行、募集が行われますが、グローバル債券は北米、欧州、アジアなど複数の地域で発行、募集されます。よって、1国のみで発行するより多くの債券が発行でき、多くの資金を集めることができます。グローバル債券という言葉は、世界の債券の総称として使われることもあります。投資信託の商品名や商品解説で用いられる「グローバル債券」という言葉の多くは世界の債券という意味で用いられているようです。グローバルといっても、...
グローバル株式とは、世界のさまざまな地域の株式のことで、国際株式などともいわれます。投資信託では、商品性の説明や商品名として用いられることがあります。明確な定義はありませんが、一般的には先進国の株式を指し、他に新興国が含まれる場合もあります。主に世界の先進国の株式に対して使われることが多いようですが、地域を限定しているわけではなく、日本が含まれていたり、いなかったりと商品によって異なります。グローバル株式という言葉を目にしたら、どのような国が対象になっているのか、しっかりと確認することが大切です...