企業が自社の従業員・役員・取引関係者に対して自社株の取得・保有を推進するための制度です。「従業員持株制度」「役員持株制度」「取引先持株制度」などと呼ばれます。従業員(役員含)、取引関係者が持株会を設立して、毎月一定額を拠出して、自社株式を共同購入します。購入した株式は持株会の共同財産になりますが、会員ひとりひとりの持分は明確にされています。この制度を企業が導入するメリットとしては、安定株主を増やせることや、従業員のモチベーションを向上させることなどが挙げられます。また、多くの企業は、制度を利用す...
持株会社とは、株主として別の会社を支配する目的で株式を保有する会社のこと。持株会社には、純粋持株会社と事業持株会社の2つのタイプがあり、中でも純粋持株会社は、他の会社の事業をコントロールすることを目的としている会社です。つまり経営と管理に特化した会社です。一方、事業持株会社は、自らもビジネスを行いながら他の会社の事業をコントロールすることも行っている会社です。持株会社のメリットとしては、複数の会社を子会社とすることによって、特定の事業の利益にとらわれず、全体としての利益を追求する1つの大きな組織...
持株会とは定時定額で金銭を拠出して、実施会社の株式を取得する仕組みのことで、従業員を対象とした「従業員持株会」、役員を対象とした「役員持株会」、取引先を対象とした「取引先持株会」などがあります。
有価証券の発行者が、有価証券の募集や売出しの際に、投資者に提供するために作成する情報開示文書をいいます。発行者や有価証券の内容などに関する説明が記載されています。金融商品取引業者は、募集や売出しによって有価証券を販売する際には、投資者に目論見書を交付しなければならないことが法令で定められています。
証券取引所(金融商品取引所)には上場(公開)していない企業の株式のこと。非公開株やプライベート・エクイティーともいいます。未公開株は上場していないので証券取引所を通じて売買することはできませんが、譲渡価格など条件面で合意さえすれば、当事者間で売買することは可能です。また、日本証券業協会では、2015年5月に非上場株式の取引・換金ニーズに応えることを目的に、株主コミュニティを創設しました。なお、上場廃止になった銘柄を売買できるフェニックス銘柄制度も2008年3月からスタートしていますが、2016年...
証券会社などに属するアナリストは、担当するセクター(業種)の銘柄について、投資判断を添えたレポートを顧客向けに発行しています。このレポートは、足元の業績や業界の展望など、さまざまな内容から構成されていますが、同時に現在の株価水準が割安か割高かを判断し、将来の目標株価を掲載することがあります。現在の株価より目標株価が高ければ、有望度が高いと考えられ、これが引き上げられると人気を集める傾向がありますが、必ずしも目標株価を達成できるとは限りません。あくまでも投資の参考として考えましょう。また、そのレポ...
銘柄コードとは、上場企業全てに割り振られている4桁の番号のことです。企業名の中にはよく似た企業名があり、間違える可能性がありますが、企業名と銘柄コードを併用することで注文・受注ミスを少なくすることができます。銘柄コードの前2桁は業種ごとに割り振られていて、たとえば医薬品だと45、電気機器だと65などとなっています。ただ、最近は番号が不足していて、新規上場企業には必ずしも業種に対応した前2桁の番号が割り振られているとは限りません。
MANTとは米国のテクノロジー銘柄群を指す言葉で、マイクロソフト(Microsoft)とアップル(Apple)、AIコンピューティングのエヌビディア(Nvidia)、電気自動車のテスラ(Tesra)の頭文字をつないだ造語。いずれも技術革新をテコに世界を席巻する注目企業で、FANG同様、2017年頃から米国の株式市場で用いられています。
2本のローソク足チャートの間に空いた空間のことです。ヒゲを含むローソク足から、上または下に飛び離れて次のローソク足が描かれることがあります。そこに出来た空間を窓と呼びます。窓から、株価が一気に大きく上昇することを上放れ(うわばなれ・うわっぱなれ・うえばなれ)といいます。反対に、これまでの推移から大きく離れて下落することを「下放れ」と呼びます。
MACDとは「Moving Average Convergence Divergence」の略で、移動平均線を応用したテクニカルチャートとして開発されました。MACDは、MACDラインとシグナルラインの2本のラインを用いて相場を読む手法です。長短2つの移動平均の差を1本のラインで表したMACDラインと、MACDラインの値をさらにある期間で平均したシグナルラインを組み合わせて売買のタイミングを計ります。MACDチャートは、2本の線のみで表されるため、売買のサインが見やすく、使いやすいチャートのひと...
信用取引の規制のひとつ。株式の信用取引を行う場合には委託保証金が必要ですが、これが通常よりも多く必要となるのが増担保規制です。東京証券取引所では、信用取引の利用が過度となった場合、新規の信用取引の利用を抑制するために委託保証金率の引き上げなどを行うことで相場の過熱感を冷まします。増担保規制は、日々公表銘柄の中から取引所が定めるガイドラインに抵触した銘柄です。また、取引所が定める増担保規制が解除されるためのガイドラインが存在します。一般的に、増担保規制に指定された銘柄は、信用取引に必要な資金が大き...
マザーズとは、東京証券取引所が1999年に開設した新興企業を対象とした証券市場の東証マザーズのことで、2022年4月の市場再編により廃止されました。東京証券取引所は2022年4月、業績や時価総額などを基準に、新たに「東証プライム」「東証スタンダード」「東証グロース」の3市場に再編しました。マザーズはJASDAQグロースと統合され、1社を除いて東証グロース市場に引き継がれました。 日本国内には新興企業を対象にした証券市場として、ほかにセントレックス(名証)(2022年4月以降は「ネクスト市場」に移...
マーケットメイクは金融市場における取引方法のひとつで、取引所から指定された値付け業者(マーケットメイカー)が、常時「売り」と「買い」の気配値を提示し、投資家の売買を成立させる方法です。日本では、東京証券取引所のETF(上場投信)や、東京金融取引所の証拠金取引にマーケットメイク制度が取り入れられています。東京証券取引所で売買されているETF(上場投信)では、国内外の証券会社がマーケットメイカーとして指定されています。
企業業績や経済指標に対する市場予想の平均値を指します。たとえば、会社側が自ら発表する業績予想などは保守的なものも多く、結果的に業績にブレが生じる場合があります。一方、調査会社のアナリストなどは会社の実態を把握し、現実に沿った数値を予想していきます。これらアナリストや専門家が予想した数値に基づいて算出するのが、コンセンサス(市場予想平均)です。代表的なものとして、金融情報サービス会社のQUICKが算出する「QUICKコンセンサス」があります。
ボリンジャーバンドとは、米国の投資家ジョン・ボリンジャーが考案したテクニカルチャートのひとつで、移動平均線とその上下2本ずつの標準偏差からなる線の計5本の線で表わされます。英字表記は「Bollinger bands」となります。ボリンジャーバンドは統計学を使って作られていて、大まかにいうと、高い確率で+2σ(標準偏差)と-2σのラインの間で価格は動くだろうという予測をもとに将来の価格の動きを予測するために使います。なお、統計学上、+2σと-2σの間に収まる確率は95.45%とされています。ボリン...
ボベスパ指数とは、ブラジル株式市場の代表的な株価指数です。ブラジル連邦共和国最大のサンパウロ証券取引所に上場する銘柄のうち、流動性の高い上位銘柄で構成された配当込みのトータルリターン指数となっています。1968年2月1日を基準日とし、その日の指数値を基準値100として算出されます。
募集・売出し業務(セリング)は、新たに発行、もしくはすでに発行されている株式や債券を投資家に勧誘する業務のことであり、証券会社の4大業務のひとつです。引受業務(アンダーライティング)と似ていますが、売れ残った有価証券を証券会社が引き取る必要はありません。証券会社の4大業務は、①委託売買業務(ブローキング)、②自己売買業務(ディーリング)、③引受業務(アンダーライティング)、④募集・売出し業務(セリング)を指します。
ブルーチップ(Blue Chip)とは、米国株式市場で主にダウ工業株30種平均に採用されている代表的な米国企業の優良銘柄を指します。収益性や成長性が高く、財務的にも安定した優良企業の株式のことで、日本でもそうした銘柄を示す際に使われています。ブルーチップはもともとカジノで使われる最高額のチップで、そこから優良銘柄を指すようになったという説などがあります。
プライム市場は、東京証券取引所が2022年4月4日から導入した新市場区分のうち、最上位の市場です。流動性やガバナンス水準、経営成績や財政状態といった項目に一定の基準を設け、それをクリアした企業がプライム市場への上場を許されることになります。ただ、当面は基準を満たしていない企業でも「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を提出することで、暫定的にプライム市場に残れることになっています。プライム市場の上場基準には、株主数800人以上、流通株式数2万単位以上、流通時価総額100億円以上、最近1...