株価は上昇と下降を繰り返しながら推移していきますが、上下幅が大きいときもあれば、小さいときもあります。株価の変動が一定の範囲で継続している状態を「保ち合い」といい、株価の上昇・下落の値幅が徐々に狭まっていき、チャートの形が三角形のようになる状態を「三角保ち合い」と呼んでいます。三角保ち合いが出来ると、その頂点で株価がどちらかに大きく動く習性があるとされています。三角保ち合いのパターンとしては3種類あります。(1)均衡している三角保ち合い・・・出来た三角形が二等辺三角形で株価がどちらに向かうのか先...
ザラ場とは、寄付から引けまでの間の取引時間のことをいいます。寄付や引けでは、売り注文と買い注文を整理してまとめて売買を成立させる板寄せ方式を採用していますが、ザラ場では値段優先で、条件が同じであれば発注が早いものから売買を成立させるオークション方式を採用しています。「ザラ場」とは、寄付から引けまでの間に成立する取引そのものを呼ぶ場合もあり、「いくらでも普通にある場」という意味で名付けられたといわれています。なお、ザラ場引けとは、前場引けや後場引けに取引がなく、ザラ場でついた株価のまま取引が終了す...
希望する売買価格(買いの場合は上限価格、売りの場合は下限価格)を指定して発注する方法。たとえば、株式の売買において、「A株式を500円で1,000株買いたい」や、「B株式を500円で1,000株売りたい」などといった注文を指値(さしね)注文と呼びます。買い注文は、指定した値段以下の売り注文が出れば約定でき、売り注文は、指定した値段以上の買い注文が出れば約定できます。一方、「いくらでもいいから買いたい」や、「いくらでもいいから売りたい」といった値段を指定しない注文方法を、成行(なりゆき)注文と呼び...
先物取引とは、将来のある日(決済期日)に、現在約束した価格で商品を売買できる取引のことです。売買される商品としては、大豆やとうもろこしといった農産物や石油、貴金属、形のない株価指数といったものまで取引されています。先物取引は実際の取引の10%程度の証拠金といわれる、いわば手付金のようなもので取引できます。つまり、実際には10倍ものお金を投資していることになるので、高いリターンを得る可能性もある代わりにリスクも高くなります。価格の変動によっては証拠金より大きな損害が出ることもあるので、リスクをしっ...
株式相場において、現物市場と先物市場の間で先物市場の値動きが先行していること。たとえば、日経平均株価と日経225先物は基本的に連動しますが、時間差で先物市場に大量の売りものが入り価格が下落、これを受けて現物市場の日経平均株価も下げることがあります。テレビや新聞などで見かける「先物主導で下げた」という表現は、このような場合を指します。
酒田五法は、江戸時代に米相場で活躍した本間宗久(1724~1803年)によって考案されたテクニカル分析です。本間宗久が山形県酒田市周辺の大地主だったことから酒田五法の名がついたといわれています。酒田五法の基本チャートパターンは、三山(さんざん)、三川(さんせん)、三空(さんくう)、三兵(さんぺい)、三法(さんぽう)の5つ。これら5つのパターンを組み合わせて相場の先行きを予測していきます。株式投資やFXなど、現在でも酒田五法を活用して相場予測をする投資家は少なくありません。
財務諸表とは、企業の業績や財務状況をまとめた資料のことで、決算書ともいわれます。代表的な財務諸表として、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などがあり、株式会社であれば必ず年に1回は財務諸表を作成して、株主総会に提出する必要があります。投資家にとっては、その企業の1年間の業績を見ることができる重要な投資判断の材料となる資料です。財務諸表は一般の人が目にすることができるまで決算から3ヵ月程度かかるため、要約である決算短信が事前に配布されます。また、これらの資料は企業のホームページなどでも...
裁定取引(アービトラージ)において、一度組んだ裁定取引のポジションを、利益を確定する目的などで解消することを「裁定解消」と呼びます。裁定取引には、「裁定売り」と「裁定買い」があり、株式の裁定取引では一般的に「裁定買い」は、「先物売り」と「現物買い」のセットで行われます。売っていた先物を買い戻し、同時に買っていた現物を売却するという裁定解消について、現物の売りが出ることを「裁定解消売り」と呼びます。株式市場の通常の取引量が少ないときに、機関投資家などによる大量の「裁定解消売り」が出ると、それによっ...
裁定買い残とは、「先物売り、現物買い」のポジションを組んで、まだ裁定取引(アービトラージ)を解消していない現物買いの残高のことです。一般的な株式の裁定取引では、株価指数先物と現物株はセットで取引され、一方が買いであればもう片方は必ず売りになります。そして、「先物売り」で「現物買い」の残高を「裁定買い残」といいます。反対に、「先物買い」で「現物売り」の残高を「裁定売り残」といいます。また、裁定買い残、裁定売り残を合わせて、「裁定残」と呼びます。裁定買い残は、裁定取引が解消されるときに必ず売却される...
「サイコロジカル」とは、「心理的な」という意味です。サイコロジカル・ラインとは、投資家の心理を数値化したものです。たとえば、コインの裏表を予想するゲームで10回連続して表が出た場合、本来、コインの表裏はどちらも出る確率は1/2ですが、ゲームのプレーヤー心理では、「10回連続して表が出ているのだから、そろそろ裏が出るのではないか」という心理に傾く可能性が高くなると考えられます。投資家にも同様の心理が働き、連続で上昇した株価は、下落する可能性が高まっていると判断する投資家が増えてくると考えられます。...
先物市場やオプション市場などで相場が大きく変動し、過熱してきたときに取引を一時中断することで投資家の過熱感を鎮め、冷静な判断の機会を設けるために取引所が講じる措置のことです。サーキットブレーカーの制度は、米国のブラックマンデー(1987年)をきっかけにニューヨーク証券取引所で取り入れられました。なお、東京証券取引所では、1994年から導入されました。2020年3月には、新型コロナウイルス感染拡大によるパニックムードを抑えるために、米国と日本でたびたびサーキットブレーカーが発動しました。
株券などの大量保有の状況に関する開示制度のことです。上場企業の発行済み株式数の5%超を保有する株主(大量保有者)は、原則として5%超を保有することになった日から5日以内に、内閣総理大臣に「大量保有報告書」を提出する義務があります。また、大量保有者には保有割合が1%以上増減した場合に「変更報告書」の提出義務が生じます。なお、大量保有報告の制度とは別に、独占禁止法による「5%ルール」というものも存在します。これは、企業支配を防止するため、銀行又は保険会社は他国内企業の総株主の議決権の5%(保険会社は...
後場とは、午後の取引のことをいいます。取引所によって時間帯は若干異なり、たとえば東京証券取引所の場合は、12時30分から15時が後場となります。後場に対し、午前の取引(9時から11時30分)のことを前場といいます。
一般的には、時価総額と流動性が低い銘柄を指します。東京証券取引所では、TOPIX(東証株価指数)を補完する「規模別株価指数」の算出において、TOPIX採用銘柄の中から、時価総額(株価×発行済み株式数)と流動性が高い上位100銘柄を大型株、次いで高い400銘柄を中型株、それ以外を小型株と分類しています。
長期の移動平均線を、短期の移動平均線が下から上に突き抜けたとき(交差したとき)を、ゴールデンクロスと呼びます。これから相場が上昇傾向になるかもしれないという買いサインのひとつとして、相場の方向性の手掛かりになるものと考えられています。ただし、確実に上昇するとはいい切れないため、株価や為替などの価格と組み合わせて判断することが大切です。ゴールデンクロスは、移動平均線だけでなく、MACDやストキャスティクスなどのチャート分析にも用いられています。相場が大きく動くときには、ゴールデンクロスになることが...
CA(コーポレートアクション)は直訳すると企業活動ですが、一般的には有価証券の価値に影響を与える企業の財務上のアクション(意思決定)を表します。コーポレートアクションにはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては、株式分割、無償割当、新株予約権付無償割当、有償割当、株式併合、上場廃止、TOB(公開買い付け)などが挙げられます。
公募増資とは、新しい株式を発行するに当たり、不特定かつ多数の投資家に対して取得の申し込みを勧誘すること。公募増資の目的は、設備投資などの資金を広く一般投資家から集めるためで、それと同時に、株主層の拡大や株式の流通量の増加というメリットもあります。公募増資の際の価格は通常、時価に近い多少割安な水準に決められて、既存株主の利益を損なわないように配慮されています。株式市場が順調に右肩上がりの状況で行われる公募増資の場合は、株式の量が増えることによる需給悪化の懸念はあまりクローズアップされませんが、取引...
信用取引の決済方法のひとつで、売り建てた株式を決済するときに買い戻しにより差額決済するのではなく、手元にもともとある、またはほかの方法で取得した同銘柄・同株数の株式を差し入れて決済することを「現渡し」といいます(「品渡し」とも呼ばれます)。制度信用取引の場合、6ヵ月という決済の期限がありますが、その間に株価が下がらなかった場合などに買い戻し以外の決済方法として利用されます。逆に、信用取引で買い建てた株式を反対売買により差額決済するのではなく、手元にある資金で株式を引き取る方法を「現引き(げんびき...
権利付最終日とは、株主がその銘柄を保有することで株主権利を得ることができる最終売買日(権利付最終日)を指します。配当金や株主優待等の株主としての権利を取得するためには、各企業が定めている権利確定日に株主名簿に記載されている必要があります。そのためには、権利確定日の2営業日前の権利付最終日までに株式を購入しなければなりません。
権利確定日とは、株主がその銘柄を保有することで株主権利を得ることができる確定日を指します。配当金や株主優待等の株主としての権利を取得するためには、各企業が定めている権利確定日に株主名簿に記載されている必要があります。そのためには、権利確定日の2営業日前の権利付最終日までに株式を購入しなければなりません。