株式等の募集や売出しに際して実施されるブックビルディング(需要予測)において、投資者が需要を申告する際の希望価格の指定方法のひとつ。具体的な価格・条件を示すものではなく、どのような条件であっても購入意欲があることを示す方法です。
ストップ高とは、前日の終値に対して値幅制限いっぱいまで株価が上がることをいいます。逆に、ストップ安とは、前日の終値に対して値幅制限いっぱいまで株価が下がることをいいます。ストップ高・ストップ安は、急激な株価の変動により投資家に不測の大きな損害や混乱を与えないために設けられています。
ストックオプション(Stock Option)とは、企業が役員や社員に対して付与する、あらかじめ決められた価額(権利行使価額)で一定期間内に一定数の自社の株式を取得することのできる権利です。付与された役員や社員は将来、株価が上昇した時点で権利行使を行い、企業の株式を取得した後で、売却することによって、権利行使価額からの株価上昇分の利益が得られるという報酬制度です。企業はストックオプションを付与することによって、役員や社員の業績向上に貢献する意欲や士気を高め、業績向上による株価の上昇によって企業価...
オシレーター系と呼ばれるチャート分析の一種で、株価のある一定期間の変動幅と終値の関係から、相場の相対的な強弱の勢い、いわゆる「売られすぎ」や「買われすぎ」を示す指標です。チャートは%K(Fast)と%D(Slow)の2本の線で表され、数値は0%から100%の範囲で推移します。%Kラインは相場に対して敏感に動き、対して%Dラインは%Kラインよりも遅く動きますが、より重要とされているのは%Dラインです。一般的には20~30%以下で売られすぎ、70~80%以上で買われすぎと判断しますが、相場の勢いが強...
スタンダード市場は、東京証券取引所が2022年4月4日から導入した新市場区分のうち、中間に位置づけられる市場です。新市場区分では、流動性やガバナンス水準、経営成績や財政状態といった項目に一定の基準を設け、上から「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」に区分されます。東証のホームページによると、スタンダード市場は、「公開された市場における投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた企業向けの市場」とされています。スタンダード市場の上場基準には、株主数400人以上、流通株式数2,0...
株式や債券といった金融商品はさまざまなファクター(要因)によって価格が形成されています。スタイルファクターとは、そんな株式や債券など、ある特定の資産の中で銘柄に共通する価格を動かす要因の総称です。代表的なファクターには、銘柄の割安度に注目する「バリュー」、株価パフォーマンスの流れに着目する「モメンタム」、企業の時価総額などに着目し、より大きなパフォーマンスを狙う「サイズ」などがあります。運用会社のファンドマネジャーなどは、これらスタイルファクターをマーケット動向によって組み合わせて、長期的で効率...
通常、信用取引には制度信用取引と一般信用取引の2種類があり、そのうちの制度信用取引で売買される銘柄を信用銘柄、制度信用銘柄といいます。制度信用取引は返済期限が最長6ヵ月で、品貸料(株式が不足した際、売り方が買い方に支払う調達費用)が取引所の規則で決められています。証券会社が期限や品貸料、対象銘柄を自由に決められる一般信用と異なり、制度信用の対象は上場株式数や売買高など、一定の基準を満たした制度信用銘柄(買い建てのみ可能な銘柄)と貸借銘柄(買い建てと売り建てが可能な銘柄)が、取引所によって選定され...
信用評価損益率とは、信用取引で株を買っている人が買値と比べて今どのくらいの損失状態であるかを見る指標です。直近の時価に基づく「信用買い残」の時価から、信用取引の買い建て時の融資額等から計算される推定買い建て値を差し引いて評価損益を求め、3市場の信用買い残で割って求められるものです。数値がプラスだと買い残の多くが評価益の出ている状態で、数値がマイナスだと買い残の多くが評価損の出ている状態を示します。一般的に、信用取引は決済期限のある短期売買のための取引手法なので、評価益が出ると買い建てした投資家は...
信用取引とは、一定の保証金(委託保証金)を証券会社に担保として預け、保証金の数倍の金額の株式取引ができる制度のことです。少ない元手で大きな利益をあげる可能性があるとともに、通常の株式取引では行えない「売り」からの取引が行えるので、下落局面でも利益を得る可能性があり、投資機会が増えるということが大きな特徴です。保証金は現金だけでなく、株や債券などの有価証券も担保として利用することができます。信用取引には一般信用取引と制度信用取引の2つがあります。信用取引を行う際は保証金に見合った新規建て可能額の範...
信用期日とは、信用取引の決済を行う返済の期限を指します。制度信用では返済期限が6ヵ月と決められており、「買い」または「売り」を新規建てした約定日から6ヵ月目の応答日までに、その建て玉を決済しなければなりません。信用期日までに決済をしなければ強制的に自動決済されてしまうため、期日が近づくと決済を行う人が増え、株価に影響を与えることがあります。なお、証券会社が期日や金利を独自に決められる一般信用では、無期限で取引できるところもあります。
テクニカル分析の一種ですが、多くのテクニカル分析と異なり、時間の概念を排除しているところが特徴です。書き方は、終値が高値を更新した場合には陽線を、安値を更新した場合には陰線を記入します。基本的な見方は、陽線に転換すれば「買い」、陰線に転換すれば「売り」と判断します。新値足の中でも、一般的によく使われるのが「新値3本足」です。それ以外にも「新値5本足」や「新値10本足」などもありますが、書き方は同じです。【新値3本足の書き方】株価の終値が新値(高値または安値)を更新するたびに罫線を記入していきます...
株式等の募集や売出しに際して、オーバーアロットメントによる売出しが実施された場合に、主幹事証券会社が借り入れた株式等を返還する目的で、一定期間中に同一銘柄の株式等を市場から買い付ける取引のことをいいます。主幹事証券会社がシンジケートカバー取引によって株式等を調達した場合には、グリーンシューオプションの全部または一部を行使しないこともあります。
「新興市場」とは、新興企業(ベンチャー企業)が多く上場している東京証券取引所の「東証グロース」(旧「JASDAQ」、「東証マザーズ」)、名古屋証券取引所の「ネクスト市場」、札幌証券取引所の「アンビシャス」、福岡証券取引所の「Q-Board」を指す総称です。各市場の共通点としては、各証券取引所の通常の市場よりも上場基準が緩く、株主数や時価総額(上場時見込み)など一定の要件を満たしていれば、設立間もない企業や赤字の企業でも上場できる場合があります。新興市場に上場している銘柄は発展途上にある企業である...
新株予約権とは、それを発行した株式会社に対して権利を行使することによって、その会社の株式の交付を受けることができる権利のことです。新株予約権証券の所有者は、新株予約権を行使して一定の行使価格を払い込むことで会社に新株を発行させる、または会社自身が保有する株式を取得することができます。新株予約権は、従来の転換社債(CB)の転換権部分、新株引受権(ワラント)、ストックオプションなどの総称です。この権利を表した証券が「新株予約権証券」です。これまでの新株引受権の制限を緩和してできた制度で、2001年の...
譲渡制限付株式(Restricted Stock)とは、一定期間の譲渡(売却)が制限された株式のことです。割当対象者にとって、株価低迷時にも株式の価値がゼロとなることはないため、インセンティブ効果が確保され、配当請求権・議決権も行使できるというメリットがあります。一方、企業にとっては一定期間の譲渡制限があることによって、割当対象者に対するリテンション効果(転職防止)が得られます。譲渡制限付株式(RS)は、2016年度の税制改正で、一定の要件を満たす譲渡制限付株式は法人税法上の損金算入が認められた...
上場銘柄が、証券取引所の定める上場廃止基準に該当したり、上場会社が自主的に上場廃止申請を行ったりすることによって、取引所で売買取引ができなくなることをいいます。上場廃止が決定すると「整理銘柄」に指定されて一定期間(原則、1ヵ月)取引が行われた後、上場廃止となります。上場廃止基準には、「株主数」「売買高」「流通株式」「時価総額」「債務超過」「破産手続・再生手続・更正手続」「有価証券報告書または四半期報告書の提出遅延」「虚偽記載または不適正意見等」「完全子会社化」などがあります。近年、上場会社が自主...
指値や成行といった通常の注文以外に、あらかじめ執行条件を指定して行う注文のことです。たとえば、寄付注文であれば、前場または後場の寄付のみを有効とする注文方法で、前場で寄り付かなかった場合、後場に注文が引き継がれます。引け注文は、前場または後場の引けのみ有効とする注文方法です。指成注文では、前場または後場の引けまでは指値で注文し、その注文が約定しなかった場合には、引けの時点で自動的に成行注文に切り替わる注文方法のことです。また、それぞれの注文が約定しなかった場合には、失効となりますので、引き続き取...
証券コードとは、証券コード協議会が公開株式や公募債券、その他上場証券について、識別のために付与しているコード番号のことをいいます。一般には、株式の銘柄コードのことを証券コードと呼ぶ場合が多いです。株式の銘柄コード(4桁)は、原則として業種別に与えられる番号が決まっていて、1300番台(水産・農業)、1500番台(鉱業)、1600番台(鉱業(石油/ガス開発))、1700番台~1900番台(建設)、2000番台(食品)、3000番台(繊維・紙)、4000番台(化学・薬品)、5000番台(資源・素材)...
投資手法(スタンス)の一種で、多くの買いが集まって株価などが上昇しているときに買い、逆に下落基調のときには売るというやり方です。株価が上昇・下降トレンドにあるときに、そのトレンドに乗っていくというような投資スタンスです。一般的には、株価チャートなどのテクニカル分析を利用して、株価が上昇していくトレンドを確認しながら買いを入れたりします。一方、株価などが下落しているときにあえて流れに逆らって買うような手法を「逆張り」といいます。順張りでは、株価などの上昇トレンドの初期段階でその流れに乗ることが、大...