クローズド期間とは、投資信託の運用を安定化させるためなどの理由で、ファンドの新規設定後の一定期間は原則として解約を禁止するといった場合の解約禁止期間のことを指します。近年では、クローズド期間が設けられないファンド(=設定後いつでも解約できるファンド)も多いですが、ファンドによっては、3ヵ月から1年程度のクローズド期間が設けられている場合があります。クローズド期間中でも、受益者(投資家)本人の死亡や、災害などで財産の大部分を滅失した場合など、約款に定められたやむをえない状態になったときには、例外的...
クローズドエンド(クローズドエンド型)投信とは、投資信託の分類のひとつで、組み入れ資産の時価に基づく純資産価格での買い戻しや解約を原則として認めていないものです。つまり、投資家が純資産価格での換金を求めても受け付けてもらえないので、換金を希望する場合は、取引所などを通じて他の投資家に売却することによってのみ可能になります。したがって、実際の売買価格は純資産価格とは離れた価格になることがあります。ファンドそのもののお金の出入りが少なく安定しているので、多少流動性に欠ける資産なども運用対象に入れやす...
キャピタルゲインとは、株式や債券など、保有している資産を売却することによって得られる売買差益のことです。たとえば、株価30万円で購入した株式が、35万円になったときに売却した場合、差額5万円(手数料・税金を除く)がキャピタルゲインになります。キャピタルゲインは、株や債券だけでなく、不動産、金、プラチナなどの貴金属を売買することでも得られる可能性があります。売却することによって損失が出た場合はキャピタルロスといいます。キャピタルゲインに対し、資産を保有していることによって得られる収益(利息や配当な...
基準価額とは、投資信託の値段のことで、多くは1口または1万口当たりの値段のことです。その投資信託が保有する株式や債券などの時価評価の総額に利息や配当金などの収入を加え、そこから運用コストを差し引いた金額を総口数で割って算出しています。ほとんどの投資信託の基準価額は1万円からスタートしますが、1万円を超えるものが運用のよい投資信託で、1万円を切るものが運用の悪い投資信託とはいいきれません。なぜなら、分配金を出しているとその分基準価額が下がるからです。このため、運用報告書や運用レポートでは、分配金を...
管理報酬とは、外国籍投資信託において、投資信託を管理・運用してもらうための経費として投資家が支払う費用のことで、国内投資信託の信託報酬に当たります。別途支払うのではなく、信託財産の中から毎日差し引かれます。外国投資信託では管理報酬以外に、日々差し引かれる手数料として、投資顧問報酬や代行協会員報酬、保管受託報酬、管理事務代行報酬などがあり、これらは「管理報酬等」という名目で目論見書に記載されています。管理報酬等の内訳を見ると、投資信託を運用するためには、あらゆるプロの力を借りているということが実感...
投資信託の分配金には、普通分配金と元本払戻金(特別分配金)の2種類があります。分配金落ち後の基準価額が個別元本を下回っている場合には、その下回る部分の額が元本払戻金(特別分配金)となり、これは元本の払い戻しとみなされ、非課税扱いとなります。一方、分配金落ち後の基準価額が当該受益者の個別元本と同額または上回っている場合には、普通分配金となり、課税扱いとなります。
カントリーファンドとは、外国投資信託の一種で、特定の国・地域ごとの株式などを中心に運用しているファンドです。通常、クローズドエンド型の会社型投資信託(投資法人)として作られていますので、取引方法としては、株式市場に上場しているカントリーファンドを株式と同様に売買することになります。2000年代半ばには大阪証券取引所に複数のカントリーファンドが上場していましたが、それから徐々に本数が減少し、2019年4月に日本市場に唯一上場していた「モルガン・スタンレー・アジアパシフィック・ファンド」が上場廃止に...
為替ヘッジとは、為替の変動による外貨資産の円ベースの価値の変化を回避することです。ヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」という意味です。一般的に海外の株や債券などの資産に投資する場合、その国の通貨で運用が行われます。そのため、為替の変動により、円に換算する際に資産価値も変動することになります。このような為替の影響を避けることが為替ヘッジの目的です。為替ヘッジを行うために、先物取引や信用取引などが行われますが、相応のコストが必要となります。為替ヘッジをしているといっても、完全に為替の影響を回避...
証券投資信託を投資対象によって分類したとき、公社債投資信託以外の証券投資信託が株式投資信託に分類されます。つまり、投資信託約款上、株式を組み入れることができる旨の記載がある証券投資信託のことです。実際に「株式を組み入れているかどうか」で分類されるのではなく、「投資対象に株式を組み入れることができる」証券投資信託は、全て株式投資信託に分類されます。株式投資信託に分類されている投資信託の中にも、実際には株式の組み入れを一切行わず、債券などを中心に運用しているものがあります。
隔月分配型とは、2ヵ月に1回の決算時に安定して分配金を支払うことを目標とした投資信託のことです。ただし、分配金の支払いが約束されているわけではありません。多くの隔月分配型の投資信託は、海外債券や不動産投資信託/REITへ投資しています。ちなみに投資信託の決算期間は2ヵ月以外にも、毎月、3ヵ月、6ヵ月、1年などがあります。隔月分配型の投資信託には、決算月を奇数月に設定している商品が多くみられます。これは、公的年金の受取月が偶数月であるため、奇数月に分配金を受け取る仕組みを作ることで、年金の支払いが...
解約請求とは、投資家が保有する投資信託を解約して換金する方法です。解約請求は、委託会社への請求となりますが、実際は証券会社などを通じて行います。投資信託の換金方法には、解約請求の他、買取請求があります。買取請求は販売会社によっては対応していないところもあります。株式投資信託を換金した際にかかる税金は、その利益も損失も株式や他の投資信託の利益や損失と合わせて計算することができます。ただ、勝手に「あれとこれで、プラスマイナスゼロね」と判断してはいけません。きちんと確定申告を行って、どの投資信託で利益...
買取請求とは、投資家が保有する投資信託を、証券会社などが買い取って換金する方法です。販売会社が買い取りの相手となるので、販売会社によっては買取請求による換金を行っていないところもあります。投資信託の換金方法には、買取請求の他、解約請求があります。解約請求はどこの販売会社でも行うことができます。株式投資信託を換金した際にかかる税金は、その利益も損失も株式や他の投資信託の利益や損失と合わせて計算することができます。ただ、勝手に「あれとこれで、プラスマイナスゼロね」と判断してはいけません。きちんと確定...
投資信託の設立形態による分類上、投資を目的とする法人(投資法人)を設立し、投資家(投資主)が投資法人に出資をしたうえで、投資法人からの収益の分配を受けるタイプの投資信託を「会社型投資信託(投資法人)」といいます。投資家(投資主)は、この投資法人に出資をし、投資法人から収益の分配を受ける権利を持つばかりでなく、投資法人内にある投資主総会における議決権も持つことになります。この点は契約型投資信託との大きな違いです。欧米では広く普及していましたが、日本では1998年の投資信託法改正により導入されました...
海外で、海外の法令に基づいて設定される投資信託のことです。たとえば、運用対象が全て日本の資産であったとしても、海外で、海外の法令に基づいて設定される投資信託は外国投資信託に分類されます。国内で販売されている証券投資信託では、外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)が外国投資信託の代表です。外国投資信託は日本にはない商品性だったり、税制面で有利な点があったりしますが、外貨建ての場合は為替リスクがありますので注意が必要です。なお、外国投資信託であっても、日本で販売される場合は、日本の法令に基づ...
外貨建て投資信託とは、外貨で取引されている投資信託のことです。基準価額や分配金などが外貨で表示されています。円でも購入できますが、実際には一度外貨を購入し、その後投資信託を購入する仕組みになっているため、為替手数料が必要になる場合があります。外貨建てMMFも外貨建て投資信託のひとつです。外貨建て投資信託のほとんどが外国籍投資信託となっています。外国籍投資信託とは海外で設定・運用される投資信託のことです。
外貨建てMMFとは、外貨で運用される投資信託のひとつで、MMFは「Money Market Fund」の略です。主に米ドル建ての商品があります。格付が高い、短期の国債や地方債、社債などで運用されるため、比較的安全性が高く、その通貨の金利水準が運用成績に反映されると考えられます。売買手数料はかかりませんが、円から外貨、外貨から円に交換するための為替手数料が必要です。また、保有期間中には、信託報酬がかかります。一般的に、外貨預金に比べて為替手数料が安く、比較的利回りが高いので人気があります。しかし、...
オルタナティブ投資とは、上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資対象や投資手法のことをいいます。オルタナティブ(alternative)は直訳すると「代わりの」「代替の」という意味です。具体的な投資対象としては、農産物・鉱物、不動産などの商品、未公開株や金融技術が駆使された先物、オプション、スワップなどの取引が挙げられます。オルタナティブ投資は一般的にはあまりなじみのない投資です。しかし、投資信託の運用手段としてはよく利用されている投資方法です。たとえば、為替変動の影響を軽...
ファンド規制や税制の緩やかな地域に設立される(ファンドの籍を置く)ファンドの総称。オフショア(Off-Shore)を直訳すると「海外」「陸から離れた(沖)」ということになりますが、国内居住者(=国内投資家)向けのファンドがオンショアファンド(On-Shore Fund)であるのに対して非居住者向けに(海の向こうで)設定される投資信託であることから、オフショアファンド(Off-Shore Fund)と呼ばれています。オフショアファンドは、ケイマン諸島やバミューダ諸島などの租税回避地(タックスヘイブ...
オープン・エンド型投資信託とは、いつでも換金可能な投資信託のことです。国内の多くの投資信託はオープン・エンド型投資信託であり、換金する場合の価格は1日1回確定する基準価額になります。オープン・エンド型投資信託に対し、換金はできないけれど、市場で売買される投資信託をクローズド・エンド型投資信託といい、上場投資信託/ETFや、不動産投資信託/REITがこれに当たります。いつでも換金できるといっても、MRFなどを除く多くの投資信託は売却から換金までに数営業日から1週間程度かかります。また、昨今、外国株...
オーバーレイとは、ひとつの投資信託の中で株や債券などの運用と、先物取引などのデリバティブの運用とを別々に行う手法のことです。リスクを回避する手段として投資信託内のそれぞれの運用チームでデリバティブ運用を使うことがあります。ところが、それぞれの運用チームで、たとえば為替リスクを回避するデリバティブ運用を行うと、株式運用チームでは為替の売り、債券運用チームでは為替の買いといった矛盾する取引が行われ、運用効率が下がってしまうケースがあります。そこで、それぞれバラバラにデリバティブ運用を行うのではなく、...